TOYOKOH Inc.
TOYOKOH Inc. — latest annual results, FY2025 (Mar 2026)
In FY2025 (ended Mar 31, 2026), TOYOKOH Inc. (341A) reported revenue of ¥3.1B (+54.7% YoY), operating income of ¥629M (+108.8%) and net income of ¥550M (+71.4%). Figures are parent-only (non-consolidated), J-GAAP.
Source: annual report (filed Jun 22, 2026)S100YFPI
Performance
FY2025 (Mar 2026)FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Mar 2026) runs Apr 1, 2025 – Mar 31, 2026.
Key metrics
FY2025 (Mar 2026)Source: filing S100YFPI · FY2025 (Mar 2026)
About this data
- Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Mar 2026): parent-only (non-consolidated).
- Accounting standard for FY2025 (Mar 2026): J-GAAP. A change of standard starts a new series.
- FY2025 (Mar 2026) is the fiscal year ending Mar 2026.
- A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
- Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
- Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).
About
shown in Japanese当社は「キレイに、未来へ」をミッションとしています。 日本は高度経済成長期から50年以上が経過し、老朽化した工場、倉庫及び橋梁や鉄塔など社会インフラ構造物の老朽化の課題が日に日に高まっていますが、メンテナンス現場では担い手の確保に悩まされています。当社は、現場の担い手にやってみたい、使ってみたいと想われる様なテクノロジーを開発し、インフラメンテナンス現場の「3K(キツい、汚い、危険)を3C(Cool、Clean、Creative)に」変え、老朽化した社会インフラ構造物を、より永く、キレイに子や孫の世代へ受け継いでいくことで、循環型社会の実現に貢献して参ります。 当社は、「キレイに、未来へ」を実現するための2つのインフラメンテナンスのテクノロジーSOSEI(ソセイ、以下「SOSEI」という。)とCoolLaser(クーレーザー、以下「CoolLaser」という。)を展開しています。 (SOSEI事業) 高度経済成長期に造られた多くの工場のスレート屋根は、老朽化に加え近年の大型台風や線状降水帯の発生、ゲリラ豪雨など相次ぐ異常気象により製造に直結する大きな被害が出ており、含有アスベスト飛散による健康被害も懸念されていることから、今後これらの改修ニーズが拡大することが見込まれます。 2006年に当社が独自に開発したSOSEI工法は、これらを解決できる工法として、2026年3月までに累計170万㎡の施工実績に達し、主として自動車や電機メーカーの工場を修繕してきました。SOSEI事業は、塗装業が出自である当社が自社工事に限定して行ってきました。工法だけ自社で開発し、施工は他社に任せて収入を得るのではなく、工事会社として、現場の作業者の目線で、作業者が使いやすい道具や工法の開発を行い、自社で責任をもって施工する「責任施工」にこだわって事業を展開してきました。屋根上工事は危険が伴うため、安全基準の整備などに強いこだわりを持ち、企業経営を行ってきました。 SOSEI工法は、瞬間硬化する特殊な樹脂を老朽化した屋根上に吹き付け補強する工法です(図1)。2層目(SOSEIコート)まで吹き付けることで、作業員がスレート屋根上に乗っても踏み抜けない強度が生まれるため、この範囲に作業員が乗り、転落事故を防ぎながら新たな範囲を施工する工法の特許を取得しております(特許第7332142号、第6815548号)。 また、1層目に断熱効果のあるウレタンフォームを吹くことで、夏場の屋根裏温度が最大20℃程度低下するため、空調の効率化を通じて電気代やCO2排出量が削減し、脱炭素化の時代に向けても相応しい工法となっております(図1)。 図1:SOSEI工法について SOSEI事業は、発注者である施工対象の工場や建物の所有者(メーカーや流通業者など)から、当社が元請ないし、他の建設会社などが元請として、さらに協力施工会社に吹き付け作業を外注することで、工事の役務を提供しております。当社の施工管理者1名を現場に常駐させる責任施工により、作業品質の向上や、徹底した安全対策の実施を行っております。この責任施工の実施が発注者から評価され、リピート発注にも繋がっているものと考えております。 (CoolLaser事業) 高出力サビ取りレーザー施工装置CoolLaserは、これまで工場内部で切断工程や溶接工程に使われていた高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、橋梁や鉄塔などの分厚いサビ・塗膜除去を行うことができる技術です。屋外で高出力レーザーを使用する事例が一般的では無かった2008年に基礎研究を開始し、2018年に初めて外部資本調達を行って以来、開発を加速させてきました。2019年には当社が主導で一般社団法人レーザー施工研究会を立ち上げ、労働安全衛生総合研究所の研究員や各大学教授、レーザーメーカーや大手ゼネコンなど業界各社130社(2026年4月末時点)に加盟いただき、屋外で高出力レーザーを利用するための安全ガイドラインを制定する他、経済産業省とのJIS規格制定、国土交通省の土木研究機関である国立研究開発法人土木研究所との共同研究など、国の各機関と二人三脚で、社会実装に向けたルール整備も行って参りました。当社は、①橋梁分野(道路・鉄道)、②鉄塔分野(通信・送電)、③海事分野(海運・ドック)、④その他分野(プラント・保管)という4つの重点分野を掲げており、これらに関連する企業・団体などを想定顧客としております(図2)。橋梁のうち、道路については日本の場合は国・地方自治体が道路橋全体の約9割を保有し維持管理(注1)していますが、これ以外の分野については基本的には民間企業が顧客となります。 図2:CoolLaserの重点取組分野(注2) 現在、米国やイタリア、台湾など世界各国で橋が落橋し、多くの人が巻き込まれ亡くなる死亡事故が発生しております。橋梁の維持管理は、人命に直結する重要なテーマであり、我が国でも建設後50年を経過する橋梁が年々増加しております。この橋梁の維持管理において、現状主流である事後保全(設備に不具合が生じてから交換等を行うこと)から予防保全(設備に不具合が生じる前に修繕等を行うこと)にシフトしていくことの必要性が国土交通省にて提言されています(図3)。 図3:我が国の道路橋の建設後経過年数、事後保全から予防保全にシフトした場合の維持費の削減 しかし、予防保全として行われている橋梁塗替工事(サビや旧塗膜を除去し、新塗膜により鋼材の腐食を防ぐ工事)は3K仕事(キツい、汚い、危険)であります。特に「危険」の部分において、塗替工事に用いられる剥離剤では、過去に剝離剤中毒事故や引火性による火災事故、ウォータージェットで手足の切断事故が起きるなど、事故が発生しており、若い作業者を確保することが年々困難となっており、高齢化が進んでおります。また、ブラスト工法(注3)で用いられる研削材は、大量の産業廃棄物となり、地球環境への負荷も大きいと考えております。 これらの課題を解決し、重要なインフラ構造物を地球環境や作業員への負荷が少ない手法で、次世代に安全・安心に受け継ぐための新たな工法の確立が必要であると考えております。 鋼橋(注4)のメンテナンスにおいては、腐食因子である塩分が含まれる進行するサビ等に対して、塩分を除去することの重要性が叫ばれております(注5)。既存工法であるブラスト工法は、鋼材表面に付着した塩分を研削材により鋼材の奥に押し込めてしまい、塩分が残ったまま新塗膜が塗られることで、塗替工事の数年後にサビが再発する再劣化の問題もはらんでおりました。CoolLaserは、既存工法に無い価値の一つとして、塩分除去効果があげられます。レーザー光が、塩分を蒸発プロセスにより除去することで、再劣化を防ぎ塗替工事の周期を長期化させ、橋梁のライフサイクルコストを低減させることが期待されています。人口減少社会において、これまでのように再劣化に伴い塗替工事を繰り返す人的余裕は無くなってくると考えられます。以下の価値を兼ね備えたCoolLaserは、まさに次世代のインフラメンテナンス手法として貢献できると考えております。 1.産業廃棄物を大幅に削減することが期待されます(光を用いることで、ブラスト工法の研削材や、ウォータージェットの汚水、剝離剤の廃液の様な、二次産業廃棄物が一切発生しません)。 2.サビや塩分の高品質な除去が可能で、塗替工事の頻度を低減させ、ライフサイクルコストを削減させることが期待されています。 3.ブラスト工法やウォータージェット工法の様な反力が無いため、作業負荷が軽くなります。また、生じる粉塵も即座に自社開発した特殊な集塵機で吸引することで、作業環境がクリーンに保たれるため作業者に優しいと考えられます。クリエイティブな新技術を導入することで、若い担い手などをインフラメンテナンス現場の労働力として確保することに繋がることも期待されます。 4.反力が無いことで制御がしやすいため、省人化・高効率化に向けたロボット化が容易になります。 プロダクト・技術の強みとして、当社は、「レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去」を日米で権利化しており、競争優位性を築いております(特許第5574354号、US-9868179、EP2823929 図4)。 図4:レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去のメカニズム 塗替工事における下地処理等のメンテナンスには、これまで塗膜除去(剥離剤など)、素地調整(ブラストなど)、塩分除去(ウォータージェットなど)と、各工程に異なる装置を用いる必要がありましたが、CoolLaserであればこれら3つの工程を一気通貫で完結させることも可能となります。また、現在橋梁の素地調整に用いられるブラスト工法では、研削材が大量に産業廃棄物として生まれ、鉛やPCB(注6)が含まれる塗料を除去する場合には、産業廃棄物の処理コストも高額となりますが、CoolLaserは研削材等の産業廃棄物が生じないため、産廃処理コストを大幅に削減することが出来ます。CoolLaserは、ドイツや米国、中国などにおける他のレーザークリーニング装置と比較して、以下の優位性(強み)があります(図5)。 ・一般的には100W~1kWのレーザー出力が主流である一方で、5.4kWの高出力化を実現できます。 ・レーザー光の長距離伝送は難しい技術ですが、当社は屋外工事用途にフォーカスし、開発を進めてきた結果、屋外土木工事に対応できる最大100mの光ファイバーケーブルを通じたレーザー光の長距離伝送により、施工範囲を実現できます。 ・高出力のレーザー光が一点に照射され続けると、溶接や切断に使われる様な溶融現象が起き、鋼材にダメージを与えてしまうため、レーザー光を高速でスキャン(走査)する必要があります。当社の円形照射の特許技術は高速スキャンの方法として、同一方向に100%の運動エネルギーを利用できる円運動であるため、高出力レーザーの熱影響回避の技術として他のスキャン方法に比べ優位性があります。 CoolLaserはこれらの特許技術を活かすことで、5.4kWの高出力を実現出来ており、表面処理の品質や施工スピードの速さの観点から、この工法のフロントランナーとして確固たる優位性を築いております。 図5:CoolLaser(G19-6000シリーズ)の特徴 =装置・消耗品売上= 装置売上では、「CoolLaser G19-6000」シリーズを製造し、CoolLaserを用いてメンテナンス工事を受注・提供していきたい建機レンタル会社や工事会社、及び自社のインフラをメンテナンスしたいインフラオーナー等のユーザーに対して、1億円程度で装置の販売を行います。なお、組み立てについて、レーザーヘッド部分については当社にて組み立てを行い、それ以外の部分は製造委託先工場にて組み立てを行います。出荷前に当社でこれらを結合し、性能評価を行ったのち、出荷を行います。 また、CoolLaserは工事に用いられることでいくつかの消耗品が発生します。例えば、レーザーヘッド先端部で粉塵からヘッド内の光学系を守る保護レンズや集塵機のフィルター、作業者の目を守るためレーザー光の波長を減衰させる保護メガネなどの保護具を、当社から装置所有者に対して販売を行います。 =保守売上= CoolLaserはシステムやレーザーヘッドについて定期的なメンテナンスを行う必要があります。これについては、当社は装置所有者と保守契約を締結し、役務の提供を行います。 =施工売上= 施工売上では、主に装置の研究開発や市場分野開発を目的とした試験施工を中心とし、依頼内容によっては本施工も行っております。すなわち、CoolLaserの導入の検討や、CoolLaserによるサビや塗膜除去などの工事を依頼したい発注者(施工対象のインフラ構造物の所有者であり、道路や橋は国・地方自治体が主体、鉄道橋や鉄塔、プラントは民間企業が主体)から、当社が元請ないし下請となり、工事の役務を提供しております。なお、当社はCoolLaser工法を当社に限定せず、全国のインフラオーナーや工事会社に活用いただき、日本のインフラメンテナンスに共に取り組んでいただきたいと考えることから、施工売上を積極的に伸ばすことをせずに、先述の装置売上及び装置提供後の保守契約や、消耗品の販売などの継続収益により企業成長して参りたいと考えております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります(図6)。 図6:事業系統図 (注) 1.出所:国土交通省「道路の老朽化対策の取組み(令和6年8月公表)」 2.市場規模の計算式:世界のブラスト販売市場規模 8.7 Billion USD(a) × 142.4円/USD(2025/5/27 TTM 三菱UFJリサーチ&コンサルティング) × 6.4%(b) =国内のブラスト販売市場規模 800億円 (a) Maximize Market Research社 世界のショットブラストマシン市場(2023年) (b) 弘文社「佐藤隆良の海外建設市場シリーズ(3)-市場規模編(2015)年」日本の建設市場規模2576億USD÷世界の建設市場規模4兆USD 市場規模については、公開情報又は第三者作成のデータ等に基づき、上記の計算方法により当社が試算した数値であり、統計調査や第三者作成のデータの精度には限界があるほか、当社による一定の前提又は仮定に基づいて試算した推計値であるため、実際の市場規模とは大きく異なる可能性があります。 出所:道路=国土交通省「道路統計調査(2022.3)」、鉄道=国土交通省「鉄道統計年報(令和3年度)」、通信=JTOWER「事業計画(2024.5)」、送電=経産省「鉄塔・電柱に係る技術基準をめぐる現状について(2019.11)」、海事=日本内航海運組合総連合会「海運統計要覧(2019)」、ドック=国交省港湾局(2023.4)、プラント=資源エネルギー庁「電力調査統計(2019)」、保管=資源エネルギー庁「石油設備調査(2020.3)」 3.ブラスト工法とは、スラグやガーネットといった研削材を、鋼材表面に衝突させて旧塗膜やサビを除去する工法で、オープンブラストやバキュームブラストなどがあります。 4.鋼橋とは、橋の主部材に鋼材が使われ、鋼板とボルトを組み合わせて建設する橋のことで、コンクリート橋と比べより軽く、長い距離を橋にすることができるため、川や谷の幅が大きければ鋼橋になることが多くなります。 5.出所:日刊工業新聞「防錆・防食技術(2023年5月17日)」 6.PCBとはポリ塩化ビフェニルの略称で、人工的に作られた油状の化学物質です。PCBはその有用性から広範囲に使用されるも、その毒性が明らかになり1972年に製造が中止になりました。
Management policy & medium-term plan
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社のミッションは、「キレイに、未来へ」です。少子高齢化社会を迎える我が国で、特に建設業界は労働力不足の課題が年々顕著となっています。また、高度経済成長期から50年を超える現在、社会インフラ構造物は年々老朽化し、その維持管理が社会課題となっています。これら課題に対応するべく、環境負荷のみならず、現場の作業負荷も軽減する新たな工法を確立することで、いわゆる3K(キツい、汚い、危険)である現場の作業環境が3C(Cool、Clean、Creative)に変わり、担い手の確保に繋がると考えています。社会インフラ構造物を次の世代へ持続可能な状態で受け継ぐことは、当社の重要な取り組みテーマと考えております。また、経営判断を行う際の基本方針として、以下の3つを定めています。
・現場主義・・・・現場の働き手から支持されるモノづくり、工法開発を行う。
・市場創造・・・・既存工法の置き換えではなく、顧客のニーズを捉え問題解決のために新しい市場を創出する。
・協創・・・・・・イノベーションの実現に向けて、協業体制を積極的に構築する。
3つの基本方針のうち「現場主義」について、工事会社出自である当社は、現場の働き手目線から現場で起きている本質的な課題に向き合い、これを解決できるような工法や装置の開発を重視しております。「市場創造」について、当社は既存工法と比べた場合、単に施工単価が安いなどの理由によるパイの奪い合いを行うのではなく、既存工法では解決が出来なかった新たな顧客ニーズを捉え、これに向き合いながら工法・装置開発を行うことで、新しい市場を創造することを重視しております。「協創」について、当社は自前主義や垂直統合型のビジネスを行うのではなく、経営資源に限りのあるベンチャー企業として、自社の強みや競争優位性がどこにあるのかを徹底的に考え、ここに経営資源を集中させることで、企業規模で当社に勝る様な大企業や海外企業による模倣困難性を高めることを重視しております。このため、協業するべきポイントは積極的に他社との協業を推し進め、経営スピードやビジネスのスケーラビリティを失わないことを意識しております。
(2) 経営環境
CoolLaser事業において、橋梁の耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する大蔵省令」によると50年とされるなか、国土交通省が2023年10月に公表した「新たな暮らし方に適応したインフラマネジメント~インフラ集約・再編の推進に向けて~」によると、橋長2m以上の道路橋は我が国に73万橋ありますが、このうち建設後50年以上経過するものは2020年3月に全体の約30%、2030年3月に約55%、2040年3月に約75%と年々増加し、インフラメンテナンスの需要は高まって参ります。一方、総務省公表の労働力調査によると、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2024年はピーク時比69.6%の477万人と担い手の数は年々減少が続いております。限られた労働力でインフラを維持管理していくためには、工事の省人化や、一回当たりのメンテナンス間隔を長めることを可能とさせる新たな技術が待ち望まれる所です。従来工法に比べて、仮設足場工程や粉塵回収工程の省力化、塩分除去効果によりサビの再発を抑制し、中長期的に見たメンテナンス工事の回数を減らすことでライフサイクルコストが削減できるCoolLaserは、我が国インフラメンテナンス業界が抱える課題の解決に貢献します。また、国土交通省公表の「国土交通省所管分野における社会資本の将来の維持管理・更新費の推計(2018年度)」によると、インフラ構造物の維持管理に係る金額は、事後保全(施設の機能や性能に不具合が生じてから修繕等の対策を講じること)の場合、現在の水準で年間5兆円程度かかり、2048年度には年間12兆円程度要するとされております。一方、CoolLaserなどを用いた予防保全(施設の機能や性能に不具合が発生する前に修繕等の対策を講じること)によった場合には、2048年度において年間6兆円程度に減少するとされています。この様に、社会資本の老朽化及びこれに要する維持管理は、現在の事後保全主体から予防保全主体に徐々に転換していくものと考えられ、CoolLaser事業の外部環境は今後も継続した成長が見込まれるものと考えております。SOSEI事業の外部環境についても、高度経済成長期から50年が経過する我が国において、工場・倉庫の屋根改修ニーズも年々高まるものと考えられることから、今後の事業成長が見込まれるものと考えております。
(3) 経営戦略
SOSEI事業は、これまで主力として行ってきた、工場・倉庫の老朽化したスレート屋根に対するSOSEI工法の施工を継続して取り組んで参ります。樹脂と塗料を組み合わせたコーティングによる独自の屋根改修技術を活かして、SOSEI工法の品質管理を高めるとともに、当社の経営方針の一つである協創を通じて、営業協力会社、施工協力会社とともにお客様への価値提供に取り組んで参ります。また、SOSEI工法を施すことでこれまで重量物である太陽光パネルの設置が困難であった様な老朽化したスレート屋根上に、パネルの設置が可能となる取り組みを強化するべく、太陽光パネル設置工事会社との協創も深めて参ります。
CoolLaser事業は、これまで装置開発目的での自社施工売上に限られてきた売上高を、装置の販売やレンタル、保守サービスや消耗品販売等の継続収益に転じるべく、部材調達先企業や販売会社との協創を深めその関係性をより強固にして参ります。また、海外(米国)進出に向けた調査及び米国内でのパートナー企業の選定や装置の輸出準備を進めるべく、人材採用を進める他、新型レーザーヘッドの開発を始めとした研究開発活動も継続して行って参ります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社はCoolLaserを用いたレーザー施工の新市場創出に取り組むべく、装置の開発やエンジニアの採用等、研究開発にかかる先行投資を積極的に実行して参りました。このため、2024年3月期まで継続的な営業損失を計上しておりました。しかし、このような先行開発投資の結果、2024年9月にはCoolLaser初の市販モデル「G19-6000シリーズ」の納品開始に至り、2025年3月期には営業利益の計上に至りました。研究開発費支出は2022年3月期をピークに一服しており、今後も主に各市場に向けた応用開発のための研究開発活動は継続するものの、装置販売等を通じて継続的な利益及びキャッシュ・フローの伸長に努めて参ります。優先的に対処すべき事業上の課題は、次のとおりであります。
① 優秀な人材の確保
SOSEI事業は、建設業界全体に共通する課題である若年労働力不足の問題に直面しており、採用が当初予定どおりに進捗しない可能性が考えられます。SOSEI工法の外断熱効果は一年を通じて空調効率が高まり、省エネ化や温室効果ガス削減に繋がります。社会全体の脱炭素化の取り組みが後押しとなり、年々SOSEI工法への引き合いが高まる一方、採用遅延は工事遅延に繋がる可能性があります。当社はこの課題に対応するべく、幅広い人材紹介会社と密にコミュニケーションする他、施工管理も実施いただける協力会社と関係構築をしています。
CoolLaser事業は、国内の各種市場に向けた提案活動や、スタンダードモデルに加えて市場ごとに求められる応用開発に対応するべく、エンジニア人材の確保が求められます。当社はこの課題に対しても、SOSEI事業と同様の採用確度を高める取り組みを行っております。
② 製品力の強化
SOSEI事業は、強度不足で太陽光パネル設置が困難とされたスレート屋根上に、SOSEI工法を施したうえで、特許出願済の特殊な方法で治具を設置することで重量物である太陽光パネル設置が可能となる、新事業の開始を予定しております。これにより、太陽光事業者との協業が可能となりSOSEI事業の売上拡大に繋がることや、より環境配慮型の原材料を使用することで、地球温暖化に積極的に取り組む発注企業に対しても価値の訴求に繋がります。
CoolLaser事業は、新型レーザーヘッドの開発や装置の小型化に引き続き取り組むとともに、各市場分野向けの応用開発を行うことで、更なる販売拡大に繋げて参ります。
③ 顧客の獲得
SOSEI事業は、既存顧客からのリピートによる売上高が全体の8割程度を占めており、一度SOSEI工法を採用いただいた顧客からの高い評価により、当該顧客の別工場等を継続的に発注いただいております。一方、新規割合が全体の2割程度に収まっている要因としては、「SOSEI工法の認知拡大活動の不足」、「リピート売上は一定程度、顧客企業側での予算化状況や工期の見通し等可能であるものの、新規顧客は突発的な引き合いとなる中、当社施工体制が不十分であることで取りこぼしが生じている。」の2つが考えられます。これら対応として、上記①優秀な人材の確保に記載のとおり、継続した人員の採用を進める他、新規販売代理店の開拓も行い、協創を重視しながら営業活動の強化を図って参ります。
CoolLaser事業は、老朽化した社会インフラ構造物を保有する多くは国・地方自治体や大手企業であるため、これら顧客に対し販売代理店と協力し認知活動を高める他、展示会への出展やメディア掲載等により、CoolLaser工法という新技術の存在を広めて参ります。
④ 内部管理体制の強化
当社管理部門は、上場会社として求められるに十分な体制を有しているものと考えていますが、SOSEI事業、CoolLaser事業ともに今後も継続した事業拡大を図っていくことから、新たに求められる管理業務に対して対応が可能となる様、引き続き内部管理体制の強化も図って参ります。また、事業成長の陰で法令遵守等の意識が薄れることがないよう、後述の「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」や「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、ガバナンス体制を維持及び更なる継続した強化を図って参ります。
⑤ 安定した財務基盤の確保
CoolLaser事業は、日進月歩で進化を続けるレーザー業界の技術革新の動向を絶え間なくキャッチし、将来的にCoolLaserへ採用するべき技術がある場合、新たな研究開発活動を行う可能性があります。この様な新たに発生する研究開発費に加え、既存製品においてもその量産を行うにあたっては、運転資本の増加が見込まれることから、これらの資金需要に対して安定した財務基盤を確保するよう、手元資金の活用に加え、借入金の調達や、協業関係を深めるための第三者割当増資などによる資本調達について、財務健全性のバランスを重視しながら国内外を限定すること無く、継続して検討して参ります。
Source: annual securities report, FY ending Mar 2026 S100YFPI
Industry peers
ROE rank 4 of 53Companies in Precision Instruments ranked either side of this one by ROE
- 7741 HOYA CORPORATION Return on equity25.4%
- 7781 HIRAYAMA HOLDINGS Co.,Ltd. Return on equity23.1%
- 368A Kitazato Corporation Return on equity20.1%
- 7771 Nihon Seimitsu Co., Ltd. Return on equity20.0%
- 7747 ASAHI INTECC CO., LTD. Return on equity19.8%
- 7760 IMV CORPORATION Return on equity17.5%
- 7711 SUKEGAWA ELECTRIC CO.,LTD. Return on equity17.4%
- 429A Tekscend Photomask Corp. Return on equity17.2%