Kioxia Holdings Corporation
Kioxia Holdings Corporation — latest annual results, FY2025 (Mar 2026)
In FY2025 (ended Mar 31, 2026), Kioxia Holdings Corporation (285A) reported revenue of ¥2.3T (+37.0% YoY), operating income of ¥870.4B (+92.7%) and profit attributable to owners of parent of ¥554.5B (+103.6%). Figures are consolidated, IFRS.
Source: annual report (filed Jun 24, 2026)S100YJ18
Performance
FY2025 (Mar 2026)FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Mar 2026) runs Apr 1, 2025 – Mar 31, 2026.
Key metrics
FY2025 (Mar 2026)Source: filing S100YJ18 · FY2025 (Mar 2026)
About this data
- Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Mar 2026): consolidated.
- Accounting standard for FY2025 (Mar 2026): IFRS. A change of standard starts a new series.
- FY2025 (Mar 2026) is the fiscal year ending Mar 2026.
- A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
- Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
- Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).
About
shown in Japanese当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)は、本書提出日現在、当社及び連結子会社22社(国内7社、海外15社)により構成されています。当社グループは、メモリ及び関連製品の製造、販売、研究開発、その他サービスを行っています。当社グループ及び関連会社等6社(国内4社、海外2社)は、メモリ及び関連製品の製造、販売、研究開発、その他サービスを行う、世界最大級(注)のフラッシュメモリ専業プレイヤーです。 (注) 出典:TechInsights Inc.“NAND Market Report Q1 2026”による。2025年4月から2026年3月におけるビット生産量ベース(Sandiskグループの生産量を含む。) なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの報告セグメントは「メモリ事業」単一でありますが、売上収益を製品の用途に応じたアプリケーション別に、「SSD & ストレージ」、「スマートデバイス」及び「その他」に区分しております。「SSD & ストレージ」には主にPC、データセンター、エンタープライズ向けSSD製品及びメモリ製品が含まれております。「スマートデバイス」にはスマートフォン、タブレット、テレビ等の民生機器、車載、産業機器等の用途で使用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品が含まれています。「その他」にはSDメモリカード、USBメモリ等のリテール向け製品及び製造合弁会社3社経由で計上されるSandiskグループ向けの売上収益等が含まれています。 当社グループ及び関連会社等各社の報告セグメントにおける位置付けと製品分野別の事業内容は以下のとおりです。 (本書提出日現在) 報告セグメント 当社及び関係会社の位置付け 製造 販売 研究開発 その他サービス メモリ事業 キオクシア㈱、キオクシア岩手㈱、キオクシアエンジニアリング㈱、キオクシアエネルギー・マネジメント㈱、キオクシア半導体台湾社、Solid State Storage Technology Corporation、フラッシュパートナーズ㈲、フラッシュアライアンス㈲、フラッシュフォワード合同会社、ディー・ティー・ファインエレクトロニクス㈱ キオクシア㈱、キオクシアアメリカ社、キオクシアヨーロッパ社、キオクシア中国社、キオクシア韓国社、キオクシアシンガポール社、キオクシア台湾社、Solid State Storage Technology Corporation キオクシア㈱、キオクシアエンジニアリング㈱、キオクシアシステムズ㈱、キオクシアテクノロジーUK社、キオクシアイスラエル社、Solid State Storage Technology Corporation キオクシアエトワール㈱ 当社グループのメモリ事業が開発・製造・販売しているNAND型フラッシュメモリとは、当社グループが1987年に発明し世界標準となった不揮発性半導体メモリ(注1)であり、大容量のデータ保存を可能にする記憶用デバイスです。スマートフォンで写真・動画などを保存するために使われるほか、身近な電子機器やデータセンター等においても、欠かすことのできないコアデバイス(基幹部品)となっています。当社グループは市場の要求に応えるために、フラッシュメモリの微細化(注2)による大容量化、及びコスト低減を推進してきました。もっとも、極度の微細化には電子同士が干渉しエラーが起きやすくなるという課題がありました。そこで当社グループではメモリセルを積み上げることで干渉を防ぐ積層化技術(注3)により、大容量化と信頼性の向上、低消費電力化を実現したBiCS FLASH™を開発しました。本書提出日現在は第8世代BiCS FLASH™を量産しています。第8世代BiCS FLASH™には、高メモリ密度の実現により高性能動作を図るため、CBA(CMOS directly Bonded to Array)(注4)とOPS(On Pitch SGD)(注5)という新技術が用いられています。近年、フラッシュメモリ市場においては、データセンター、エンタープライズ向けSSDの需要が拡大しており、これまで以上に大容量化、信頼性の向上、低消費電力化が求められています。当社グループは、更なる大容量化、高速化に向けた次世代の半導体メモリの開発も進めています。 フラッシュメモリチップは、当社グループの四日市工場及び北上工場において製造しています。半導体は材料となるシリコンウエハー上に微細な集積回路を作りこむため工程は数百に及び、製造プロセスの効率化は至上命題です。四日市工場及び北上工場では、生産効率の向上と生産コストの低減に向けた生産ラインの自動化を徹底しており、特に四日市工場では2022年10月に竣工した四日市第7製造棟を含む6つの製造棟を棟間搬送で連結する統合生産体制を確立しております。さらに、高い生産効率を実現するため、開発と量産の拠点一体化、AI・ビッグデータを活用したスマートファクトリー化も進めております。 また、今後も続くと想定される3次元フラッシュメモリの需要に継続的に対応するため、BiCS FLASH™の生産能力の増強を目的として、2022年4月から北上工場第2製造棟(K2棟)の建設を開始し、2025年9月に稼働を開始しております。四日市既存製造棟と同様に、地震の揺れを吸収する免震構造を採用するとともに、最新の省エネ製造設備の導入や再生可能エネルギーの利用などで環境面も重視した工場となっております。また、四日市工場とともに人工知能(AI)を活用した生産システムの導入などを推進し、全社製造オペレーションの生産性及びフラッシュメモリ製品の品質をさらに向上させます。今後も大容量化に向けた技術開発、生産体制の拡大、コントローラ(ICチップ/ファームウェア)開発等の強化により、技術力とコスト競争力の両面における長期的な優位性の確保に努めてまいります。 なお、当社グループは、Sandiskグループとの間で製造合弁契約を締結し、キオクシア株式会社とSandiskグループが共同出資する製造合弁会社3社を設立しています。合弁契約に基づき、製造合弁会社3社が当社グループ及びSandiskグループからの資金借り入れ又は製造合弁会社3社によるリース契約により生産設備を調達し、当社グループの四日市工場及び北上工場に設置、キオクシア株式会社が製造合弁会社3社から製造委託を受け、無償貸与された生産設備にて生産をしております。当社グループとSandiskグループは、合弁事業を通じて四日市工場と北上工場の生産能力合計の約80%を共有し、当社グループが残りの約20%を単独で所有しています。合弁契約に基づき、当社グループとSandiskグループは、それぞれ製造合弁会社3社が所有する生産能力の各半分(すなわち、上記2工場の生産能力合計の各約40%)を割り当てられている一方、当社グループは上記2工場の運営を行い、製造ノウハウを有しています。また、当社グループは、製造合弁会社3社各社の議決権の50.1%を所有しており、IFRSに基づく共同支配事業として、その資産、負債、収益及び費用の50%を連結財務諸表に計上しています。なお、当社グループ及びSandiskグループは、2026年1月に四日市工場におけるこの製造合弁会社の契約期間を、従来の2029年12月31日から2034年12月31日に5年間延長しました。この契約期間延長にあわせて、契約条件も見直し、当社グループは、Sandiskグループに対する製造サービスの対価として、2026年から2029年にかけて、合計11億6,500万米ドルを受領する予定です。これにより、当社グループはSandiskグループとの合弁事業を当社グループが提供する戦略的及び技術的価値、並びに生産プロセスが創出するNAND市場での付加価値の対価を反映したモデルへと転換しました。 SSD & ストレージの主要製品であるSSD(Solid State Drive)は、半導体メモリ(フラッシュメモリ)を記憶素子とするストレージ製品です。HDDに比べて読み出し性能、衝撃・振動等の耐環境性、静寂性に優れ、待機時の消費電力が低いことも特徴の一つです。AIを搭載したスマートフォンやPC、データセンターを含むAI関連の機器やサービスの普及等により、今後も成長が見込まれています。当社グループはクライアント及びエンタープライズ製品において最先端PCIe®製品を他社に先駆けて上市し、市場における優位性を確立しているものと認識しています。また、自社製フラッシュメモリを活用し、一般汎用品から高付加価値品まで幅広いラインアップを展開しています。 スマートデバイスにおいては、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、テレビ等の民生機器、車載、産業機器など、幅広いアプリケーションで利用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品群に注力しています。特にスマートフォン向けメモリ製品の市場は依然として規模が大きく、成長しているアプリケーションであり、当社グループにとって重要なマーケットとなっております。 また、その他には、SDメモリカード、USBメモリ等のリテール向け製品及び製造合弁会社3社経由で計上されるSandiskグループ向けの売上収益等が含まれます。 今後も製品ラインアップの強化とサポート体制の強化により、市場でのプレゼンス向上を目指します。 アプリケーション別売上収益比率(2026年3月期)(注6) (注)1.不揮発性半導体メモリとは、電源を切っても記憶が消えないメモリです。 2.微細化とは、メモリチップの中の回路線幅を狭くすることでメモリセル(1ビットの情報を保持するために必要な回路構成)の面積を縮小する技術です。 3.積層化技術とは、メモリセルを多層構造にする技術です。 4.CBAとは、メモリセルの制御を担うCMOS回路とメモリセルアレイを2枚のウエハーに別々に作製し、その後2枚のウエハーを貼り合わせる技術です。 5.OPSとは、選択ゲート分離体を、メモリ機能を持つメモリストリング間に配置し、ダミーメモリストリングを削除することで、メモリ密度を高める技術です。 6.小数点以下第2位を四捨五入しております。 (事業系統図) ○印は連結子会社、※印は関連会社等です。 (注) キオクシア株式会社及びキオクシアシステムズ株式会社のほか、キオクシアエンジニアリング株式会社において研究開発活動を行っています。また、キオクシアイスラエル社とキオクシアテクノロジーUK社においてはSSDソフトウェア・SSD製品に係る研究開発活動を、Solid State Storage Technology CorporationにおいてはSSD製品に係る研究開発活動を行っています。
Management policy & medium-term plan
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。なお、本書で記載する市場データは外部の調査会社の調査に基づくものであり、当社では正確性を独自に検証しておらず、現在及び将来における実際の市場の規模・状況と大きく異なる可能性があります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「『記憶』で世界をおもしろくする。『記憶』の可能性を追求し、新しい価値を創り出すことで、これまでにない体験や経験を生み出し、世界を変えていく。」とのミッションのもと「『記憶』の技術をコアとして、一人ひとりの新たな未来を実現できる製品やサービス、仕組みを提供する。」というビジョンを掲げ、「メモリ技術」で新しい時代を切り拓き、世界を変えていくことを目指しています。
ミッション・ビジョンを実現するために、従業員一人ひとりが取り込んでいく価値観を以下の行動方針としてまとめています。
・ 一人ひとりが夢を持ち、語ることができる
・ 制約を設けず、可能性を追求する
・ 柔軟な発想で自ら考え、行動する
・ 多様な価値観を尊重し、協力し合う
・ 常に誠実さと、透明性をもって行動する
(2)経営環境及び経営方針
世界中に広がるデータエコノミーの波の中で、人々が扱うデジタルデータの総量は増加の一途を辿っており、これまで、日々増加するデジタルデータの処理のために、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末、PC等においてフラッシュメモリが使用されてきました。今後も、AIの発展により、世界における生成データ量は増加していくと言われております。当社は、オートモーティブ、エンターテインメント、ロボティクス、医療・ヘルスケア、インダストリーなど様々なシーンでメモリが果たす役割が重要になると考え、フラッシュメモリの利用も伸長すると見込んでおります。
また、フラッシュメモリの技術革新とそれによる記憶容量の増大は、様々なフラッシュメモリのアプリケーションへの採用と新しいマーケットの創出を牽引してきました。さらに、データ量の増加とフラッシュメモリの技術革新によって、HDDから、読み出し性能、衝撃・振動等の耐環境性、静寂性及び待機時の省消費電力性等により優れるSSDへの置き換えも進んでいます。データ量の増加とフラッシュメモリの技術革新の好循環によって、フラッシュメモリ市場は成長を続けるものと当社は考えております。
近年は、AI活用の普及やクラウドコンピューティング等ビッグデータビジネスの進展により、データセンター、エンタープライズ向けフラッシュメモリ需要の拡大傾向に加え、スマートフォン及びノートPC搭載メモリも大容量化傾向にあります。アプリケーション別では、SSD & ストレージ向けメモリ及びスマートデバイス向けメモリのそれぞれについて、記憶容量ベースでの市場規模は拡大傾向にあり、今後も記憶容量ベースでの市場規模の拡大傾向を当社は見込んでいます。
急速なAIの普及により、AI搭載製品の比率が高まると予想されており、これはフラッシュメモリの需要増加にさらにつながる可能性があります。また、生成AIが生成したデータは自動的にデバイスに保存されることとなるため、その結果、必要な1個当たりメモリ容量が増加することとなり、大容量のAI搭載製品がさらに普及することが予想されます。
さらに、データセンターからのフラッシュメモリ需要も、AIサーバーを中心に拡大すると予想されています。従来のサーバーとは異なり、AIサーバーには、電力効率が高く、高速なデータ転送ができるストレージが求められるところ、SSDは、DRAM及びHDDと比較して、性能、消費電力及びコストの面でバランスが良いことから、AIサーバーに不可欠なものとなると当社は考えています。
さらに、データセンター向けフラッシュメモリ需要は、AI学習サーバー及びAI推論サーバー向けフラッシュメモリ需要の増加により加速しており、今後もAI推論サーバーを中心に成長することが見込まれます。
加えて、フラッシュメモリ市場は、一般に、急速な技術革新と生産性の向上、顧客からの需要の変動と継続的な価格下落圧力、競合他社との市場シェア獲得競争等により、需給の循環的変動傾向が顕著であり、周期的に市況の改善と悪化が繰り返されていると考えております。
当社グループとしては、このようなマーケット環境において、当社グループの強みと考える高成長市場にアクセス可能な幅広い製品ポートフォリオをもって、規模が大きく高成長が見込めるエンドマーケットにて、これらのアプリケーションにおける各主要顧客との強固な関係構築を継続してまいります。また、業界をリードする技術競争力を有するフラッシュメモリ業界におけるテクノロジーリーダーとして、市場リーダーの求める製品の開発を推進するとともに、世界最大級(注)のフラッシュメモリ工場を活用し、生産規模及び生産効率を最大化することで高いコスト競争力を実現してまいります。
(注) TechInsights Inc.“NAND Market Report Q1 2026”による。2025年4月から2026年3月におけるビット生産量ベース(Sandiskグループの生産量を含む。)
足元の世界経済は、原油価格の高騰など地政学要因によるインフレ圧力の再燃リスクの下で、日本を除き、高金利長期化の局面にあり、金融環境は引き締まった状態が続いています。この結果、不動産市場や投資活動には下押し圧力がかかり、特に中国の不動産不況が世界経済の持続性に対する主要なリスク要因となっています。また、米国政府による各種関税など、地政学リスクは引き続き高い状況にあり、これらの要因により世界経済における不透明な見通しが続いています。
フラッシュメモリ市場においては、2023年後半からフラッシュメモリ製造業者各社の減産及び投資抑制が効果を表し始め、また顧客における在庫水準が適正化に向かったため、需給バランスの改善と販売価格が上昇しましたが、2024年後半からPC・スマートフォン顧客の在庫調整等により、価格や物量の下落が発生しました。足元のフラッシュメモリ市場は、好調なAI用途のデータセンター・エンタープライズ向けSSDがNAND市場の需要をけん引しており、需要が供給を上回る状況から販売価格が上昇しています。アプリケーション別では、スマートデバイスにつきましては第8世代BiCS FLASH™への移行が本格化したことなどから堅調な需要が継続しています。SSD & ストレージにつきましては、データセンター・エンタープライズSSDの需要がAI需要により堅調に伸長しています。中期的にもAI用途向けの大容量、高速、低消費電力のSSDの伸長が見込まれています。
当社グループは、当社グループの掲げるミッション及びビジョンを実現するため、当社グループの経営環境を踏まえた経営方針・経営戦略を実施していくとともに、将来に亘って「メモリ技術」で新しい時代を切り拓き、世界を変えていくことを目指すべく、2024年11月22日に長期財務モデルを策定し、公表しました。しかしながら、足元のAI市場の成長を背景とするフラッシュメモリの旺盛な需要により、当社グループの業績も急速に改善したことで、当該長期財務モデルを大幅に上回って成長している状況にあるため、2026年6月2日開催のInvestor Dayにて、これまでの長期財務モデルに代わるものとして、最新の市況を踏まえた事業戦略を説明いたしました。
このような経営環境において、当社グループは、次の経営方針・経営戦略によりビジョンを実現していきます。
[SSD & ストレージ]
SSDは高成長が期待されるアプリケーションですが、その中でもクラウドサービスの普及に伴うデータセンター向けの需要や、エンタープライズ向けストレージ機器の組み込み容量の増加等を受けて、データセンター・エンタープライズSSD市場について成長が見込まれると当社は考えております。
データセンターからのフラッシュメモリ需要は、今後AIサーバーを中心に拡大すると予想されており、AIサーバーの増加に伴い、より大きな記憶容量のSSDの需要が喚起されると考えられます。
かかる市場環境を踏まえ、当社グループは、中期的には大手データセンター、エンタープライズ顧客向けを中心としたデータセンター、エンタープライズSSDのより高いシェアの確保に取り組み、長期的にはSSD市場におけるより高いシェアの獲得を目指します。生成AIの普及により、データ生成と活用が加速し世界のデータセンターへの投資が拡大しています。この市場を支えるために、当社は、第8世代BiCS FLASH™ 3次元フラッシュメモリを搭載した、データセンターや高性能計算(HPC)、生成AI用途向けの高速NVMe™ SSD「KIOXIA CM9/CD9Pシリーズ」のサンプル出荷を2025年5月に、業界初245.88TBの大容量エンタープライズSSD「KIOXIA LC9シリーズ」のサンプル出荷を2025年8月に開始しました。これらの製品群に加え、生成AIの回答精度向上に貢献するベクトル探索ソフトウェア「KIOXIA AiSAQ™」の技術を発表し、製品と組み合わせることで、システム全体のパフォーマンス向上に寄与しています。サーバーはリアルタイム処理へ移行し、低遅延ネットワークの重要性が増しています。2026年にはAIが大規模言語モデルの「学習」から「推論」へと移行し、推論ワークロードが急増すると予想されています。これに対応する「KIOXIA GPシリーズ」のコンセプトとして、NVIDIA Storage-Next™アーキテクチャー向けに高性能・低遅延なメモリ拡張を可能にするKIOXIA Super High IOPS SSDを2026年3月に発表しました。業界のキープレイヤーとのコラボレーションを通して、AIインフラに適した多様なソリューションを展開し、デジタル社会の持続的な発展を支援します。
さらに、一般消費者向け市場をターゲットとするSSDであるクライアントSSD(PC、ラップトップ、タブレットコンピュータ等の一般消費者向け市場をターゲットとするSSD)についても、当社は成長が見込まれると考えております。
クライアントSSDについては、2020年7月に台湾・LITE-ONテクノロジー社から買収したSolid State Storage Technology Corporationの開発リソースと当社開発リソースを融合し、技術力の強化と開発の効率化によって、お客様の要求にタイムリーに応えていきます。
さらに、急速に普及しているAIの活用に伴い、大規模言語モデルの開発、学習、推論用途でデータセンター、エンタープライズ向け大容量ストレージの需要の高まり、AIを搭載したエッジデバイスの登場によるクライアントSSD市場の更なる拡大も期待されております。当社グループはこのような新たな市場の変化を逃すことなく、業界主要企業との関係性構築に努めながら、新たな需要の喚起、創出、販売の拡大を目指します。
[スマートデバイス]
スマートフォン市場は依然として規模が大きく、成長しているアプリケーションであり、当社グループにとって引き続き重要なマーケットとなっています。今後、スマートフォン出荷台数については、これまでと同様の伸長は期待できないと考えられるものの、スマートフォン1台当たりのフラッシュメモリ搭載量は成長を続けると予想され、スマートフォン向けのフラッシュメモリの需要を牽引していくと見込んでおります。
スマートフォン市場において、当社グループは、これまで培ってきた技術力、生産能力、生産性等に基づき、グローバルな主要企業と強固な関係性を長年に亘って構築しており、当該顧客のみが有する最先端のテクノロジーニーズに対応した信頼性の高い高品質な製品やサポートを提供しております。当社グループのかかる強みを活かして、記憶容量ベースでの市場拡大に合わせて、「BiCS FLASH™」の大容量化・積層化・量産化を推進することで、今後もスマートフォンの高機能化、大容量化を支えてまいります。
[生産・販売]
当社グループが製造合弁契約を締結しているSandiskグループと合わせたフラッシュメモリの当社グループ及び関連会社等のビット生産量は世界最大級となる29%(注)のシェアを有しております。さらに、拡大するフラッシュメモリ市場に対応すべく、四日市工場及び北上工場の生産能力の強化により、更なる出荷量の拡大を図ります。また、フラッシュメモリの製造は、材料となるシリコンウエハー上に微細な集積回路を作りこむため、工程は数百に及び、製造プロセスの効率化が重要になります。当社グループは、製造過程におけるAIの活用や、四日市工場において製造棟間を繋ぐ棟間搬送を駆使し、製造棟全体の設備の稼働率を高めることで生産性を向上させる統合生産体制を採用することにより、各工場の知見とデータを相互に活用することで、高い生産効率の実現を図っていきます。今後も継続して生産効率の向上を図り、フラッシュメモリ市場の需要成長に見合う出荷量成長率(メモリ容量単位の前年比成長率)を維持することを目指しております。また、設備投資についても引き続き規律あるアプローチを採用した上で、投資の効率化を図ります。加えて、ギガバイト当たりのコストの削減も図ってまいります。
販売に関しては、海外現地法人リソースを充当するとともに、効率的な顧客管理(CRM)等、顧客のニーズに対応した販売インフラの拡充を進めます。
(注) TechInsights Inc.“NAND Market Report Q1 2026”による。2025年4月から2026年3月におけるビット生産量ベース(Sandiskグループの生産量を含む。)
[研究開発]
データ処理量の増大に伴い、フラッシュメモリに代表される不揮発性半導体メモリについても、特にSSD用途において高速動作が要求される傾向にあります。当社グループは、フラッシュメモリ業界のパイオニアとして1987年に世界初のNAND型フラッシュメモリを発明し、1991年には世界で初めてNAND型フラッシュメモリを量産しました(注1)。また、2024年には当社グループのSSDが、国際宇宙ステーション(ISS)での科学実験を行うサーバーのストレージに使われました。本書提出日時点では、CBA技術・OPS技術や218層積層プロセスを用いた第8世代BiCS FLASH™を製品化するなど、コスト効率を高めながらメモリ容量を拡大する技術革新を行ってきました。直近2連結会計年度における当社グループの売上収益に占める研究開発費並びに販売費及び一般管理費(注2)の割合(平均)はそれぞれ6.8%及び4.1%(合計10.9%)であり、他社の公表情報も踏まえれば同業他社と比べて売上収益に比して低い水準に留めていると認識しており、コスト管理に対して規律あるアプローチを維持しています。
更なる技術革新に向けて、2023年6月に横浜市内に新たな研究・技術開発施設の稼働を開始しました。これにより分散していた技術開発機能を集結し、フラッシュメモリ、SSDの研究開発の効率性を高めます。また、2024年4月に先端技術研究所を新設し、AI技術の基礎研究からその応用、また次世代メモリ等の研究開発、新規事業につながる技術創出を強化していきます。
当社グループは今後も技術力を武器に、大容量、低コスト、高性能化による市場競争力のあるフラッシュメモリの開発を進めるとともに、信頼性、安定性も備えた、フラッシュメモリ新製品に代わる次世代メモリの開発も進めていきます。そして、これら将来のビジネスに必要な研究開発投資を積極的に行います。
(注)1.上記における発明、開発、量産及びサンプル出荷に関する記述については、当社グループ調べによります。
2.販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費を控除し、買収等に伴い発生したPPA(Purchase Price Allocation)による影響額や、勤務継続型株式報酬制度及び業績連動型株式報酬制度における報酬の当年度費用計上額などを調整したものです。PPAについては、株式会社Pangeaによる旧東芝メモリ株式の買収等に伴い実施した資産の公正価値を基礎とした取得金額の配分手続を指します。以下同じです。
[財務施策]
当社グループは、中長期的に、想定されるフラッシュメモリ市場の需要成長に見合う出荷量成長率(記憶容量ベース)を維持すること、メモリ製品の販売価格が過去と同程度の下落傾向となること、及び当社グループが過去と同程度のギガバイト当たりのコストの削減を実現することを前提に、フラッシュメモリ市場の周期的市況におけるトレンドとして、高いNon-GAAP営業利益率(Non-GAAP数値については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」で定義される「Non-GAAP指標」をご参照ください。)を実現していくことを目指しております。
また、当社グループは、当連結会計年度末において、1兆228億円の有利子負債に対し、4,707億円の現預金を有しており、ネット有利子負債は5,521億円となります。当社グループは、事業活動等により生じるフリー・キャッシュ・フローを将来の成長資金として使用するとともに有利子負債の返済に充当し、財務体質を改善し、中長期的にはネット・キャッシュ(有利子負債の額を現預金の額が上回る状況)を目指します。
なお、当社のネット有利子負債/Non-GAAP EBITDA(注)(倍)の過去の推移は以下のとおりです。
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期
3.51
14.15
1.22
0.46
(注)Non-GAAP EBITDAは、営業利益(△損失)に減価償却費及び償却費を加算し、勤務継続型株式報酬制度及び業績連動型株式報酬制度における報酬の当年度費用計上額などを調整したものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 拡大する市場についての対応
中期的なフラッシュメモリ市場は引き続き拡大が見込まれており、当社は競争力のある第8世代BiCS FLASH™の量産及び販売、市場要求に合った新製品の投入、特に市場伸長が見込まれるデータセンター・エンタープライズSSDの新製品の投入により、市場伸長に合わせた成長率を目指します。また、クライアントSSD市場及びデータセンター・エンタープライズSSD市場、特にAIによる高い需要が見込まれるTLCフラッシュメモリ搭載高帯域製品や、XL-FLASH™搭載製品、並びにHDDでは対応できない性能領域で拡大が見込まれる4ビット/セル(QLC)製品の開発及び市場展開を進めます。さらに、大規模言語モデルの開発、学習、推論用途でデータセンター、エンタープライズ向け大容量ストレージの需要の高まりに加え、AIを搭載したエッジデバイスなど、当社グループは市場の変化を逃すことなく、業界主要企業との関係構築に努めながら、新たな需要の喚起、新規創出によるビジネス拡大を積極的に推進します。
② 開発競争力の強化
Source: annual securities report, FY ending Mar 2026 S100YJ18
Industry peers
ROE rank 2 of 237Companies in Electric Appliances ranked either side of this one by ROE
- 6857 ADVANTEST CORPORATION Return on equity57.6%
- 6920 Lasertec Corporation Return on equity33.9%
- 6777 santec Holdings Corporation Return on equity31.1%
- 6862 MINATO HOLDINGS INC. Return on equity30.1%
- 8035 Tokyo Electron Limited Return on equity29.6%
- 6227 AIMECHATEC,Ltd. Return on equity28.1%
- 6727 Wacom Co., Ltd. Return on equity28.0%
- 6930 NIPPON ANTENNA CO.,LTD. Return on equity26.3%