OXIDE Corporation

株式会社オキサイド
Ticker 6521 Fiscal year-end Feb 28 312 employees

OXIDE Corporation — latest annual results, FY2025 (Feb 2026)

In FY2025 (ended Feb 28, 2026), OXIDE Corporation (6521) reported revenue of ¥10.0B (+19.6% YoY), operating income of ¥543M (+329.7%) and net income to owners of −¥538M. Figures are consolidated, J-GAAP.

Source: annual report (filed May 22, 2026)S100Y5QW

Performance

FY2025 (Feb 2026)
Revenue
¥10.0B
+19.6% YoY Change
Operating income
¥543M
+329.7% YoY Change
Net income to owners
−¥538M
Revenue
Operating income
Net income

FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Feb 2026) runs Mar 1, 2025 – Feb 28, 2026.

Key metrics

FY2025 (Feb 2026)
EPS (basic)
−¥46.99
Book value / share
¥405.95
Return on equity
-10.6%
Bottom 8%, Rank 107 of 114 in Other Products (latest annual, FY2025)
Net margin
-5.4%
Bottom 8%, Rank 107 of 114 in Other Products (latest annual, FY2025)
Revenue growth (YoY)
19.6%
Top 8%, Rank 8 of 111 in Other Products (latest annual, FY2025)
Equity ratio
31.8%
Bottom 8%, Rank 106 of 114 in Other Products (latest annual, FY2025)

Source: filing S100Y5QW · FY2025 (Feb 2026)

About this data
  • Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Feb 2026): consolidated.
  • Accounting standard for FY2025 (Feb 2026): J-GAAP. A change of standard starts a new series.
  • FY2025 (Feb 2026) is the fiscal year ending Feb 2026.
  • A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
  • Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
  • Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).

Data corrections API reference

About

shown in Japanese

光の時代といわれる21世紀。光技術の可能性を追求し、その成果を少しでも早く少しでも多く社会に還元したい。それが創業以来変わらない私たちの願いです。当社グループは、ミッションとして、「豊かな未来を光の技術で実現する」を掲げております。 当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社オキサイドパワークリスタル(以下、オキサイドパワークリスタル社という。)で構成され、単結晶(*1)、光部品(光デバイス)、レーザ光源、光計測装置などの光学関連製品を、主に光を使った計測分野の装置メーカーや光学製品メーカー向けに開発・製造・販売しております。例えば、当社グループが製造・販売する放射線を検出するシンチレータ(*2)単結晶は、がんの診断用のPET検査装置に使用されており、当社グループのレーザ光源は、半導体製造に使用されるシリコンウエハの品質検査装置に使用されております。 2000年の創業以来、当社グループは単結晶・レーザのグローバルニッチトップカンパニー(*3)をめざし、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアル(*4)を世界に向けて発信する」、「顧客へマテリアルソリューション(*5)を提供し、社会の発展に貢献する」、「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」という経営理念の下、光学分野のバリューチェーン(*6)の川上に位置する単結晶の開発・製造から事業を開始し、単結晶開発技術を生かしつつ、光学分野での川下の製品群(光部品、レーザ光源、光計測装置)へと展開してまいりました。 これまで光学分野での先端技術を継続的に蓄積、保有し、その独創性及び競争優位性の確立をめざしてまいりました。単結晶分野において、当社グループは、FZ法(Floating Zone Method)、CZ法(Czochralski Method)、VB法(Vertical Bridgeman Method)、TSSG法(Top Seeded Solution Growth Method)、DCCZ法(Double Crucible CZ Method)、KY法(Kyropoulos Method)、EFG法(Edge-defined Film-fed Growth Method)、フラックス法(Flux Method)など、多くの単結晶育成技術及び装置を保有しております。国内外の企業、大学、研究所などから技術、製品への問い合わせ、引き合いをいただいております。2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」(*3)にも選定されております。今後も、当社グループの光学技術は、その応用範囲及び新たな用途の拡張をめざしてまいります。 2024年12月には、オキサイドパワークリスタル社へパワー半導体向け材料及び関連製品の研究開発・製造販売等に関する事業を吸収分割いたしました。オキサイドパワークリスタル社では、従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な溶液法SiC単結晶の事業化に取り組んでおります。 なお、当社グループは、光学事業の単一セグメントでありますが、製品の用途から「半導体事業」、「ヘルスケア事業」、「新領域事業」の3つの事業に区分しております。 「新領域事業」において単結晶技術、光学分野でのコア技術の新用途・新製品を立案・開発し、試作・開発ベースでの小規模案件を中心にビジネスを進めております。「新領域事業」での開発技術であり成果が事業化し、量産化を確立したのが「半導体事業」と「ヘルスケア事業」です。 こうした展開は、当社グループがこれまでに国内外の企業や大学等から埋れた技術や事業を買収し、製品化・事業化して蓄積したノウハウにより、可能となったと考えております。 また、工学・理学系の博士号・修士号を保有する技術者が、研究開発及び製造に従事する役職員の24%を占め、研究開発型の事業会社として成長していることなども当社グループの特徴であり、独創性及び競争優位性の源泉と考えております。 各事業の概要は次のとおりです。 半導体事業 当事業は、半導体ウエハ(*15)の検査装置メーカー向けの単結晶・レーザの開発・製造・販売を行っております。当連結会計年度における当事業の売上高は、5,002百万円です。当社グループの単結晶のうち、非線形光学効果(*16)の強い単結晶及びその単結晶を搭載したレーザは、波長や出力をはじめとする各種性能・品質の観点から、販売先の最新機種に搭載されております。 半導体製造工程の「前工程」と呼ばれるウエハ処理工程では、投入するシリコンウエハの品質検査が半導体チップの歩留まり管理上不可欠であり、専用のウエハ検査装置が利用されております。当社グループの単結晶と単結晶を搭載したレーザは、そのウエハ検査装置に搭載されております。半導体の微細化に伴い、検査装置に搭載する単結晶及びレーザも、次世代製品の開発が常に求められております。当社グループは、こうした市場の要求に対し、材料工学、光学などの観点から常に開発・提案を行い、あるいは、一部製品に関しては特許権者からのライセンスを受け、次世代製品への取り組みを継続しております。 拡大する半導体市場の微細化への要求については、光学分野では短波長化と高出力化が重要となります。当社グループの単結晶、レーザ光源は、波長変換による短波長化(266nm)と2W以上の高出力化の特徴を有しております。その結果、単結晶については、2006年に開発を受託、その成功を受けて、2011年から量産へ、またレーザは、2010年に株式会社マグネスケールより事業を買収し生産を開始しました。その後、2011年に開発を受託、その成功を受けて2016年から量産に移行しております。顧客の新製品投入に合わせてこうした「開発」→「量産」のプロセスが繰り返されております。 一方、顧客が製造販売する検査装置においては、エンドユーザーである世界の半導体工場にて昼夜連続での稼働が要求事項となっております。その結果、搭載された単結晶、レーザはその使用に応じて定期的なメンテナンス需要が発生します。メンテナンスの内容は、概ね1〜2年の一定期間ごとに使用に伴って劣化した単結晶や光学ユニットを交換するものです。これらのメンテナンス需要は、ほぼ事前予想が可能なため、景況の山と谷のギャップが激しいと言われる半導体分野での事業としては収益安定要素と言えます。加えて、10年以上の長期間稼働が求められるレーザの新規出荷売上に従い、累積的に増えることが見込まれるリカーリングの性質を持つ売上収益となります。当連結会計年度におけるメンテナンス売上高は、当事業売上の20%程度を占めております。 ヘルスケア事業 当事業は、がんの診断に使用されるPET検査(*17)装置に搭載されるシンチレータ単結晶の開発、製造、販売を行っております。具体的には、製造したシンチレータ単結晶を加工した各辺数mm角の直方体(PET用素子と呼びます。その素子を数万本、PET検査装置内に配列して使用します。)の形状で国内外のPET検査装置メーカーに販売しております。当連結会計年度における当事業の売上高は、1,997百万円です。当社グループのシンチレータ単結晶は、継続的な品質向上とコスト低減の実績及び品質管理体制の構築により、既に主流となっている全身用TOF-PET検査装置(*18)に採用されております。 また、当社グループのシンチレータ単結晶は、乳房検査専用PET検査装置や、重粒子線を用いたがん治療中の粒子線位置をリアルタイムで確認することができるOpen-PET検査装置に採用されております。Open-PET検査装置は、従来のがん診断だけでなく、治療にも使われる装置として、国内においては量子科学技術研究開発機構を中心として研究が進んでいるものです。 加えてPET検査装置は、がんの診断以外にアルツハイマー型認知症(*19)診断への適用範囲拡大が見込まれており、当社グループでも用途拡大に対応すべく研究開発活動を進めております。認知症は、国内外の高齢化により増加傾向が見られることに加え、アルツハイマー型認知症の治療薬が日本国内においても薬事承認され、併せて、その原因物質であるアミロイドβのPET診断も保険適用となったことから、今後、治療薬の普及に伴い、頭部専用PETによる診断への需要が高まってくることが期待されます。(出所:World Alzheimer Report 2021) 新領域事業 当事業は、国内外の光計測機器/光学製品メーカー及び大学等研究機関に単結晶、光部品、レーザ光源及び光学測定装置を開発、製造、販売しております。当連結会計年度における当事業の売上高は、3,040百万円です。同時に、当社グループのコア技術である単結晶技術/光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応、光学分野での問題解決策の提供及びそうしたプロセスの中で有望な新用途/新製品をインキュベートしております。 国内外の展示会、学会への出展、当社グループのホームページへのアクセスなどを通じて、研究開発/試作の受託を重ねております。また、当社グループのコア技術である単結晶技術や光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応や問題解決策を提供しております。これらの活動が、新用途/新領域のビジネスに繋がり、当社グループの将来ビジネスへのアンテナ、種まきの機能を担っております。当事業においてすでに商品化段階に至った主な製品は、以下のとおりです。 製品 製品の説明 主な用途 単結晶・デバイス 波長変換(*7)部品(デバイス) 波長変換部品(デバイス)は、光学単結晶を用いてレーザ光の波長を他の波長へ変換する(例えば、赤外光を可視光や紫外光に変換することが挙げられます。)製品です。 量子分野では、もつれ光子対の発生に利用されます。 医療 理化学 情報家電 工業用加工 セキュリティ 娯楽 量子 GPS(Ce:Gd2Si2O7)単結晶 放射線が入射すると発光するシンチレータとしての特性を持つ単結晶です。高発光量、高エネルギー分解能等の特長を有しております。高温環境でも特性劣化が小さいため、広い分野での応用が期待されます。 放射線汚染モニタリング セキュリティ 石油探査 医療 アイソレータ用単結晶 一方向のみ光が透過する光学部品である光アイソレータに搭載される単結晶です。レーザ機器のレーザ光出射口は、外部からレーザ機器に光が入ると損傷したり、不安定になります。レーザ光出射口に光アイソレータを設置することにより、外部からの光を遮断し、不具合を防ぐことが可能となります。 5G データセンター通信用デバイス GaN(*8)用基板単結晶(SAM(*9)) GaNをエピタキシャル成長させる際に基板となる単結晶です。GaNと基板の格子定数及び熱膨張率のミスマッチが小さいため、高品質のGaN薄膜が得られます。 可視光レーザ 高周波デバイス パワー半導体(*10) レーザ 114nmレーザ 真空紫外光と呼ばれる紫外線の中で最も波長の短い光を発生するレーザ装置です。単結晶に加えガスを用いた波長変換技術を利用して、赤外光を114nmに変換しております。このように波長が短くエネルギーの高い光は、最先端の研究開発分野で材料の分析に有効です。特に、量子コンピューティング等への利用が期待される新材料の研究開発に利用されております。 光電子分光 光電子顕微鏡用深紫外CWレーザ 半導体プロセスにおけるパターン検査に利用可能なレーザ光電子顕微鏡が東京大学物性研究所によって開発されており、光電子を発生するための深紫外レーザ光源として当社の深紫外CWレーザが使用されています。 半導体検査 フェムト秒レーザ 深紫外光のレーザ光を短いパルスで照射することにより、非加熱加工を行います。これにより、バリやクラックが発生しない高精度な微細加工が可能になります。 微細加工 製品 製品の説明 主な用途 測定器 光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器 スペックルノイズは、レーザを利用したディスプレイ(レーザ光を投影した画面)において発生する、画質の劣化要因のひとつです。例えば、レーザ光を投影した画面に映る画像が、荒い画像に見えること等が挙げられます。当社グループは、スペックルノイズを定量的に表すことができる測定器を開発し、製造・販売しております。この装置は、国際標準に認定されたスペックルノイズ測定器であり、ディスプレイメーカーは画質の評価に使用しております。 プロジェクター 照明 量子 量子もつれ光子対発生モジュール 量子もつれは、2つの光子の状態が強く相関し、一方の光子の状態が決まると他方の光子の状態が瞬時に決まる現象です。この特性は量子暗号通信や量子コンピューティングに利用されています。量子もつれ光子対発生モジュールは、光ファイバを入出力とし高い効率で量子もつれ光子対を発生可能なモジュールです。 量子通信 NoT(Network of Things)やAI(人工知能)のさらなる活用により、クラウドを通じた工作機器の連携と自動化/無人化がさらに進むと考えられます。このようなイノベーションを支える半導体の微細化や医療機器の高度化等に伴い、需要が高まっているレーザ光源の高出力化や短波長化の技術開発を推進してまいります。また、量子コンピューターの開発により既存の暗号技術は脅威にさらされることになります。この脅威に対抗するため量子暗号通信技術の開発が世界中で進展しております。さらに、量子コンピューター等の量子デバイスを繋ぐ量子インターネットの研究開発も注目されております。当社は、量子通信分野の最先端研究者からのご要望に基づき、量子もつれ光子対を高効率で生成することが可能な量子もつれ光子対発生モジュールを開発し、実用性の高い製品として販売を開始しました。さらに、当社の波長変換デバイスが量子コンピューティング用途においても研究開発に利用される等、量子通信関連分野での用途が拡大しています。一方、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現に向け、デジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けSiC(*12)ウエハの、溶液法(*13)による超高品質化及び大口径化の開発や家電向け低コストβ型酸化ガリウム(*14)基板の開発にも注力してまいります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (*1)単結晶 ・原子、分子が規則正しく配列している固体を結晶と総称します。その結晶の中でも、物質内のどの部分においても原子、分子配列の向きがまったく同一である物質を単結晶と呼びます。 ・結晶に、電気信号を加えたり、圧力をかけたり、光を当てることにより、各結晶の持つ特性が現れますが、単結晶の場合は、その特性(例えば、光を当てることにより光の波長を変換したり、電気信号を加えることにより光の強度を調整すること。)が強く現れます。この特性を活用して、産業分野で単結晶応用製品が実用化されております。 (*2)シンチレータ 放射線が当たると微弱な光を出す物質をいいます。 (*3)グローバルニッチトップカンパニー 「グローバルニッチトップ100選」は経済産業省が2013年度より継続している事業です。「グローバルニッチトップ企業」の定義は、「昨今の産業構造の変化や、求められるニーズに迅速に対応するため、大企業や主要業界団体だけでなく、ニッチ分野(比較的小規模な市場や潜在的ニーズはあるが、まだ事業の対象として考えられていないような分野)において高い世界シェア(占有率)を有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」です。経済産業省として、認定と顕彰を通じて、対象企業の知名度向上や海外展開を支援するとともに、新たにグローバルニッチトップを目指す企業が経営上の羅針盤として活用することが目的となっております。 (*4)キーマテリアル 世の中の役に立つ材料を意味します。 (*5)マテリアルソリューション 材料と光に関する問題解決を意味します。 (*6)バリューチェーン 単結晶、ウエハ、チップ、光部品、レーザ光源、計測装置の光学分野における川上から川下に至る一連の製品供給プロセスを意味します。 (*7)波長変換 波長(周波数や色とも表現されます)は光の重要な性質を表すものであり、波長変換はレーザ光を元々の波長から紫外線や赤外線の領域に拡げる技術です。波長を変換する手法は数多くありますが、原理はレーザ光という強い光と物質の相互作用による非線形光学効果(*16)を用いております。 (*8)GaN Ⅲ属元素とⅤ属元素が1:1の割合で結合した化合物半導体の一種で、融点が高く窒素の蒸気圧が高いため、シリコン(Si)のように融液から大型の単結晶を作製することが困難です。そのため、気相法によって薄膜状の単結晶が作製されます。最近では、GaN半導体は、光デバイスだけでなく、パワーデバイスや高周波デバイスとしても着目されており、そのために高品質なGaN単結晶が必要とされております。 (*9)SAM ScAlMgO4の化学式で表される、スカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の三種類の金属元素を1:1:1の等しい割合で含む酸化物です。 (*10)パワー半導体 パワー半導体は、電車や電気自動車、家電製品、照明器具、電磁調理器、コンピューターなど身近なところで使用されております。パワー半導体は、これらの機器の電源制御部品として、直流を交流に変換、交流を直流に変換、周波数変換などを担います。 (*11)量子もつれ光子対光源モジュール 特別な光源から「量子もつれ」と呼ばれる特殊な状態の光子のペアを生成する装置です。量子もつれ光子対とは、2つの光子の間に古典論では説明できない相関が存在する状態であり、量子力学の不可解さを示す例として知られております。この量子もつれ光子対は、それぞれの光子がたとえどんなに離れた場所にいても一方を測定することでもう一方の状態が瞬時に確定するという性質を持っております。この性質を利用し、絶対に破ることが出来ない量子暗号通信や高い測定感度が実現できる量子センシングなどの重要な技術が開発されております。「量子もつれ」に関する研究に対し、2022年にノーベル物理学賞が授与されました。 (*12)SiC シリコン(Si)と炭素(C)から成る化合物半導体の一種です。SiCパワーデバイスは、従来のシリコンパワーデバイスよりも高い電圧や温度で動作できるため、電力をより効率的に扱うことが可能です。電気自動車や太陽光発電などの分野で、性能向上に貢献しております。 (*13)溶液法 溶媒に溶け込んでいる溶質を種結晶上に析出させ結晶成長させる方法です。SiCの場合、炭素(C)製坩堝内にシリコン(Si)を投入、加熱して液体とし、坩堝材のCがSi溶媒中に溶け込みSiC溶質が作られます。そのSiC溶質をSiC種結晶に析出させ、SiC単結晶を成長させます。従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な方法です。 (*14)β型酸化ガリウム β-Ga2O3の化学式で表されるガリウム(Ga)と酸素(O)から成る半導体で、特に高い耐電圧性を持っております。融液成長法により高品質な単結晶基板を安価に製造することが可能です。この材料は、パワー半導体として使用され、電力を効率的に制御し変換するのに役立ちます。β型酸化ガリウムパワーデバイスが実用化されれば、家電や電気自動車などのパワーエレクトロニクス機器のさらなる低損失・低コスト化が期待されます。 (*15)半導体ウエハ 半導体素子の製造材料です。一般的にはシリコンを素材とするインゴット(円柱形の塊)を、0.5mm~1mm程度の厚さにスライスした円盤状の板を指します。半導体の主要な応用例はスマートフォン等です。 (*16)非線形光学効果 光を受けた物質の内部では、通常の弱い光の場合、光の吸収や散乱などの現象が光の強度に比例して現れますが、レーザ光のような強い光の場合、比例関係から外れた新たな現象が発現します。その効果を非線形光学効果と呼びます。 (*17)PET検査 被検者に、がん患部に集まる薬剤を注射し、薬剤が放つ放射線を検出器でとらえて病巣を探るがんの検査方法です。従来のX線検診、CT検診では困難であった早期のがん細胞まで発見することが可能で、全身を一度に診断できることも特長です。 (*18)全身用TOF-PET検査装置 最先端のPET検査装置のことで、薬剤が放つ放射線の僅かな検出時間差を計測することで、高精細な診断画像を得ることができます。高速なシンチレータが要求され、当社グループのLGSOシンチレータが搭載されているPET装置の多くがTOF-PETです。 (*19)アルツハイマー型認知症 脳が少しずつ萎縮していき、認知機能が低下していく病気で、認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症です。

Management policy & medium-term plan

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2025年3月14日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中で当社グループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、

「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」

「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」

「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」

のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。

(2)経営戦略等

当社グループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、執行役員会等により議論され、随時進捗確認を行っております。

また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。

営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体向材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品となります。

EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。

(4)経営環境

電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンターの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。

世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。当社グループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。

ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。当社グループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 各種研究開発の促進

当社グループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、半導体分野における高集積化・高性能化の進展、医療・分析機器の高度化等を背景として、当社グループの製品に対する需要は、中長期的に底堅く推移するものと見込んでおります。近年では、従来の半導体分野に加え、量子技術分野においても光源や光学材料に対する要求が高まっております。一方、次世代パワー半導体材料として期待が高まるSiC単結晶においては、高品質かつ大口径の結晶開発が求められており、当社グループにおいても溶液法を用いたSiC単結晶開発を推進しております。また、量子技術や先端半導体分野においては、産業用途を見据えた高出力・高安定なレーザ光源及び関連技術の開発が重要な課題となっております。こうした新領域・新用途への対応にあたっては、研究開発段階から将来的な製品化・事業化を見据えた技術検討を進める必要があり、当社グループの独自性、技術的な優位性を維持しつつ、的確かつスピーディーな研究開発体制の構築が引き続き重要となっております。当社グループでは、社内の人的及び資金的資源を有効に活用するとともに、大学や研究機関との連携や、政府機関による研究開発支援制度等の活用を通じて、研究開発の促進及び技術基盤の強化に努めております。

② 優秀な人材の採用・育成

当社グループ製品への需要増や開発促進に対応するため、当社グループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内外の大学や研究室、並びに国内の高等専門学校と継続的に連携し、学生の履修状況に応じた実体験型インターンシップ等を通じて卒業生の採用につなげ、採用環境が厳しい中でも計画に沿った実績を重ねております。当社における過去3年の新卒採用の実績は、2024年4月25名、2025年4月8名、2026年4月5名となっております。中でも、事業継承、研究開発の進展、研究の深化を担う人材を確保するため、博士課程修了者の採用については継続的に取り組み、実績を有しております。中途採用については、優秀人材の獲得競争が年々激化する中、人材紹介会社を通じて当社グループの魅力や市場における製品優位性を効果的に発信し、業務拡大に対応可能な即戦力の確保に成果を上げております。当社における過去3年の正社員の中途採用実績は、2024年2月期24名、2025年2月期13名、2026年2月期12名となっており、即戦人財の充足が進んでおります。また、優秀な社員が能力を最大限発揮できる環境の整備に向け、創業25周年を機に「行動指針」を制定しました。企業の理念を具現化し、社員が日々の業務で取るべき行動や判断基準として全社に展開し、社員への浸透を進めております。さらに、外部研修の積極活用に加え、階層別研修(新入社員・若手・チームリーダー・管理職)や専門別研修を体系化し、社員一人ひとりの成長目標とスキルギャップに応じた学習の機会を提供することで、能力発揮と生産性の向上を図ってまいります。加えて、将来の経営を担う幹部人材のサクセッションプランを進め、タレントマネジメントの強化を通じて、持続的な企業価値向上に資する人材基盤の確立に努めてまいります。

③ 財務体質の健全化

当社グループは、当社グループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。

④ 資材調達体制の強化

当社グループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要な原材料・部品については複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じ、安定的な製造及び供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等に限られており、当社グループは中国から調達しております。このため、複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、在庫水準の適切な管理等を通じて、供給リスクの低減に取り組んでおります。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でも限られていることから、仕入先との綿密な調整等連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングを実施することにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進しております。

Source: annual securities report, FY ending Feb 2026 S100Y5QW

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