HOB Co.,Ltd.

株式会社ホーブ
Ticker 1382 Fiscal year-end Jun 30 49 employees

HOB Co.,Ltd. — latest annual results, FY2025 (Jun 2026)

In FY2025 (ended Jun 30, 2026), HOB Co.,Ltd. (1382) reported revenue of ¥2.4B (-1.7% YoY), operating income of −¥22M and net income to owners of −¥28M. Figures are consolidated, J-GAAP.

Source: annual report (filed Sep 28, 2026)S100Z3MP

Performance

FY2025 (Jun 2026)
Revenue
¥2.4B
-1.7% YoY Change
Operating income
−¥22M
Net income to owners
−¥28M
Revenue
Operating income
Net income to owners

FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Jun 2026) runs Jul 1, 2025 – Jun 30, 2026.

Key metrics

FY2025 (Jun 2026)
EPS (basic)
−¥36.71
Book value / share
¥906.11
Return on equity
-3.9%
Bottom 10%, Rank 11 of 11 in Fishery, Agriculture & Forestry (latest annual, FY2025)
Net margin
-1.2%
Bottom 10%, Rank 11 of 11 in Fishery, Agriculture & Forestry (latest annual, FY2025)
Revenue growth (YoY)
-1.7%
Bottom 10%, Rank 11 of 11 in Fishery, Agriculture & Forestry (latest annual, FY2025)
Equity ratio
62.9%
Top 28%, Rank 3 of 11 in Fishery, Agriculture & Forestry (latest annual, FY2025)

Source: filing S100Z3MP · FY2025 (Jun 2026)

About this data
  • Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Jun 2026): consolidated.
  • Accounting standard for FY2025 (Jun 2026): J-GAAP. A change of standard starts a new series.
  • FY2025 (Jun 2026) is the fiscal year ending Jun 2026.
  • A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
  • Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
  • Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).

Data corrections API reference

About

shown in Japanese

(1)当社グループの事業内容 当社は、「いちご」という農産物において、新しい品種の研究開発から始まり、苗の生産販売から収穫した果実の販売までの全てを行っており、1年365日、洋菓子メーカー等に対して国産いちごを供給しております。 国内で広く一般的に販売されている「とちあいか」「とちおとめ」等のほとんどのいちごは、いちごの中でも一季成性といわれる品種であり、品種特性により収穫時期は主に冬から春に限られます。そのため、夏秋期には一部国産いちごの収穫はあるものの、現在夏秋期に販売されているいちごの大部分はアメリカ合衆国から輸入されたものであり、ケーキにのっているいちごにも輸入品が使用されております。 当社では、四季成性いちご※1「コア」(2017年6月品種登録 品種登録名ペチカエバー)、「夏瑞/なつみずき」(2017年6月品種登録 品種登録名ペチカほのか)の自社品種を有しており、苗の生産及び農家への販売、生産農家で収穫したいちごの仕入及び洋菓子メーカーへの販売までの全てを行うというビジネスモデルを構築しております。この自社品種により、洋菓子メーカーの「夏秋期にも国産いちごを使いたい」という要望にこたえ、1年を通して安定した国産いちごを供給できる体制を構築しております。 この体制を支えているのは、夏秋期に収穫できる自社品種であり、その自社品種苗を均一無病苗※2として量産化できるバイオテクノロジー技術であります。 当社では、いちご以外にも、これまでに構築してきたバイオテクノロジー技術を用いて、その他の苗の研究開発や生産・販売も行っており、また、自社品種の栽培に必要な機器や資材及び収穫した果実の梱包用資材の販売も行っております。さらに、洋菓子メーカー等へケーキ素材となるいちご以外の果物等の販売も行っております。 ※1 いちごには、花芽形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちご(とちおとめ等)であり、一定の条件が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。一方、四季成性いちごは花芽形成に条件を必要としないため、一年中栽培が可能であります。 ※2 親苗と同じ遺伝子情報をもち、ウイルスや病原菌に汚染されていない苗のことであります。 当社グループは、当社(株式会社ホーブ)と連結子会社1社(株式会社エス・ロジスティックス)で構成されております。報告セグメントは、いちご果実・青果事業、種苗事業、馬鈴薯事業及び運送事業の4つのセグメントとなります。 当社グループの事業内容及び当社と連結子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 (いちご果実・青果事業 当社) 当社がいちご果実(自社品種いちご果実・その他いちご果実)、青果及び農業用生産・出荷資材の仕入販売を行っております。 (種苗事業 当社) 当社が自社品種のいちご苗を生産し、生産農家へ販売しております。また、いちご以外の種苗についても、食用ユリなどの生産を受託し販売を行っております。 (馬鈴薯事業 当社) 当社が種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。 (運送事業 株式会社エス・ロジスティックス) 株式会社エス・ロジスティックスが、当社の商品等を中心とした配送業務を行っております。 以上に記載した事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 [事業系統図] (2)四季成性いちご ①一季成性と四季成性 一般に知られている「いちご」は、秋になって日照時間が短くなり、気温が低下してくると花芽形成(花となる芽のもとが作られること)されます。その後、冬になってさらに気温が下がると休眠状態となり、春になり気温の上昇とともに休眠から覚めて、成長し、花が咲き、果実となります。八百屋あるいはスーパーマーケット等で広く一般的に販売されている「とちあいか」「とちおとめ」「紅ほっぺ」等のほとんどのいちごが、この花芽形成の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続するという短日条件、あるいは温度の低下という低温条件)を必要とする一季成性品種のいちごであります。そのため、国産いちごの主な収穫時期は、概ね12月(クリスマスの需要にあわせて人工的に必要な条件を作って収穫時期を早めたもの)から5月頃までとなっております。 一方、四季成性品種は、花芽形成に日照時間の長短や低温であるという条件を必要としないため、一季成性品種と違い一年中栽培収穫が可能であります。 当社の自社品種「ペチカエバー」「ペチカほのか」は、この四季成性品種のいちごであり、一年中栽培収穫が可能であります。しかしながら、当社では一季成性いちごが収穫できず国産いちごの端境期となる5月から11月の夏秋期に自社品種の収穫時期を設定しております。 業務用※1に使われる国産いちごの出荷量が少ない夏から秋にかけて、当社の品種は、国産夏秋いちごとして付加価値を高めております。 ※1 洋菓子メーカー等でケーキのトッピング用あるいはスポンジのサンド用として使用されるいちごのことであります。スーパーマーケット等で販売されているいちご(生食用いちご)と同じものですが、ケーキの上を飾るため、食味・食感だけでなく、大きさ、形状、色艶、スレ・あたり(手で触れたり、いちご同士あるいは他のものと擦れたりあたったりすることによって、いちごの表面にできる小さなピンクに変色した部分)などの傷の有無等、メーカーごとに厳しい規格があります。 ②自社品種の特徴 いちごに関して重要なことは、生産農家にとっては病虫害に対する耐性があり、作りやすく、収穫量・生産性に優れていることであり、消費者にとっては、安心・安全であり、なおかつ、食味・食感、甘みと酸味のバランス、香り、円錐形の形状、色艶のどれもが水準以上であることであります。また、洋菓子メーカーは、消費者のニーズに合わせながら、必要なサイズ(大きさ)のものを必要な量だけ安定的に供給されることを望んでおります。当社の品種は、こうしたどの要望にも応えうる品種であると考えております。 自社品種は、四季成性が強く季節を問わず安定して花芽を形成するため、安定的に連続して果実を収穫することができます。さらに、苗の定植時期によって収穫時期をコントロールしやすく多様な作型で栽培できるため、生産農家にとって生産作物の計画に組込みやすい品種です。 また、食味・食感の良さ、豊かな香り、鮮やかな果色、きれいな円錐形をした果形、輸送性に問題がない程度の適度な果皮の硬さ等高い水準の果実品質を有しております。 (3)事業の特徴 当社の事業の特徴は、「いちご」という農産物において、育種※1から苗の生産・販売、栽培指導、果実の仕入・販売までのそれぞれの事業において特徴、優位性を持っているだけではなく、川上から川下までの事業を行うことで、それらが有機的に結びついて、当社の総合力として発揮されていることにあります。 また、この総合力は、生産農家や洋菓子メーカー等とのつながりによって補強され、いちご果実の生産者側及び消費者側それぞれの情報を的確に吸収し、ニーズに合った情報をそれぞれに還元できることにもつながっております。 当社は、自社品種を作り上げた培養技術、さらに自社品種を基盤に展開してきたトータルサービスが当社の特徴であると考えております。 ※1 交配などにより新しい形質を持つ品種を作り出すことであります。 ①育種(種苗の研究開発) 当社は、研究開発の結果、2010年3月に「ペチカサンタ」(品種登録番号 第19206号)、2010年5月に「ペチカプライム」(品種登録名ペチカピュア 品種登録番号 第19528号)、さらに2017年6月に「コア」(品種登録名ペチカエバー 品種登録番号 第26015号)、「夏瑞/なつみずき」(品種登録名ペチカほのか 品種登録番号 第26016号)の品種登録をそれぞれ行いました。 これらの育種過程で培われた技術を駆使し、中富良野研究農場及び東神楽研究圃場の研究農場においてさらなる新品種の開発を鋭意進めております。 ②種苗生産(組織培養※1) ・組織培養技術 当社は、バイオテクノロジーのひとつである植物組織培養技術を使い、優良な均一無病苗※2を短期間で大量に作り出す技術を有しております。この苗増殖技術によって、当社の自社品種苗を生産し、販売しております。組織培養による増殖技術は、近年実験室段階では急速に進歩しましたが、変異が多発しやすくまた馴化※3の効率が低い等の問題から、商業的技術として確立されたものは多くはなく、商業ベースにのっているものは限られております。当社では、いちごはもとよりアルストロメリア、ユリ、クロユリ、アヤメ、胡蝶蘭、カトレア、ジャガイモ、ヤマイモ、アスパラガス、ニンニク、ニラ等の多様な植物についての増殖技術を確立しており、ユリについては、現在も苗生産を受託しており、組織培養技術を使って苗を増殖し、生産販売しております。 ・苗生産の分業システム 国内のいちごの主要産地では、原苗を生産する段階から圃場増殖を繰り返しているため、ウイルス等への感染など病虫害が発生する可能性が高くなり、苗質劣化の問題が年々増大しております。 また、いちごの生産に限らず、農作業の軽減化及び効率化が強く求められておりますが、国内のいちご生産農家の多くは、都道府県等の地方公共団体あるいは農業協同組合から病虫害に罹患していない健康な苗を親苗として購入し、自前の農場施設内で栽培しながら増殖させ、増えた子苗を果実生産用の苗として使用しております。いちご生産農家は、果実生産だけではなく苗生産の期間も合わせると1年365日毎日いちごの栽培に係わっていることになります。 欧米諸国では、いちご生産農家が苗を購入し、増殖することなくそのまま果実生産用に使用する苗生産分業システムが広く一般的に普及しております。当社の自社品種苗においても、果実生産用の苗として、優良な均一無病苗を生産農家が必要とするときに、必要な数量だけ提供する苗生産分業システムを確立しており、生産農家の作業負担軽減に大きく貢献しております。 ※1 植物の細胞あるいは葉、茎、根や芽などの器官を無菌的に培養することであります。 ※2 親苗と同じ遺伝子情報をもち、ウイルスや病原菌に汚染されていない苗のことであります。 ※3 環境に馴れ、順応することであります。組織培養の苗は培養容器の中で生育したため、容器から出した際に温度や湿度の変化に対応できず、枯死する場合が多くなります。そこで、温度や湿度の変動をできるだけ抑えた条件で外気に触れさせる必要があります。 ③いちごの栽培研究及び栽培指導 当社は、夏秋期におけるいちごの栽培生産技術の向上をはかるために、中富良野研究農場及び東神楽研究圃場において、自社品種の栽培研究を継続して行ってきております。 自社品種の生産の主力は全国各産地の生産農家であります。 当社では、いちご栽培のプロフェッショナルである従業員が中心となって、全国各地の自社品種生産産地に出向き、各生産農家の栽培・生育状況を実際に目で確認して、きめ細かく的確に助言、指導を行っております。この指導により、生産農家の収穫実績は上がっており、信頼も得られ、当社にとっても規格の統一された優良ないちごが安定的に入荷されるようになってきております。 ④いちご果実・青果の販売 ・通年安定供給 当社は、国産業務用いちごの販売に関して、自社品種を販売する夏秋期だけではなく、夏秋期以外の時期も含め最高の品質のものを1年間安定して供給すること、1年365日対応することを原則としております。そのため、当社は、夏秋期以外の冬から春にかけてのシーズンには全国のいちご産地からその時期における最高品質のいちご(とちおとめなど)を買付け、販売しております。 冬から春にかけてのシーズンには生食用いちごが豊富に生産出荷されているため、当社としても業務用いちごを確保することは比較的容易でありますが、夏秋期においてはいちごの生産自体が少なくなるため、自社品種の生産出荷量を夏秋期を通じて安定して確保することが重要となっております。 当社の特色は、自社品種の苗を販売して終わるのではなく、その成果である果実を買付け販売することで、国産いちごの流通量が少なくなる夏秋期に国産いちごを安定供給でき、冬から春にかけてのいちごのシーズンと合わせ、業務用国産いちごの通年安定供給ができることであります。 ・輸送技術 一般にいちご果実は、30℃を超える高温に弱く、また果皮がやわらかいため衝撃にも弱く、夏秋期の栽培、輸送にはあまり適しておりません。しかし当社は、夏秋期の業務用国産いちごがほとんどなかった十数年前から、この夏秋期に生産、販売を行っており、夏秋期において特に顕著に現れる諸問題を解決するため、輸送技術の研究に力を注いでまいりました。 その結果、生産農家から洋菓子メーカー等までの物流を簡素化し、また、クールコンテナ等を利用することで、低温管理され、なおかつ振動の少ない輸送システムを実現いたしました。さらに、スレ・あたり※1を防ぐ一段トレーソフトパック※2の採用により、高品質を保持した長距離流通を実現しております。当社では、全産地の自社品種について一段トレーソフトパックを採用しており、自社品種以外のいちごについても、産地の協力を得て一段トレーソフトパックに切替えております。 こうした研究、努力により、当社は、業務用としての国産いちごを冬から春にかけてだけではなく、一年中安定して供給できるような産地・流通・販売のシステム構築に成功しております。 ・その他の果実、青果の販売 当社は、いちご以外にもブルーベリー、バナナ、キウイ、メロン等の洋菓子の材料となる果物や野菜の卸売りも手がけております。これらの青果は、いちご果実の販売先と重複するため、新たな輸送手段及び輸送ルートを構築する必要がなく、販売先数の増加とともに、今後も当社の収益拡大に期待ができます。 ※1 手で触れたり、いちご同士あるいは他のものと擦れたりあたったりすることによって、いちごの表面にできる小さなピンク色に変色した部分のことであります。 ※2 やわらかい材質のトレーにそれぞれのいちごの規格に合わせた窪みをつけた梱包用資材であります。この窪みの中にいちごを並べて輸送することでスレ・あたりを防ぐことができます。 ⑤種馬鈴薯等の生産販売 日本国内に一般流通している品種「男爵」「メークイン」等の種馬鈴薯、青果馬鈴薯の仕入販売はもとより「サッシー」「アルバン」等の海外オリジナル品種の国内販売権を有し、種馬鈴薯を委託生産し、販売しております。

Management policy & medium-term plan

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。

(1)経営方針

当社の社名ホーブ「HOB」は、「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」及び「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」の2つのことから名付けられており、「研究室の中だけで行われていた組織培養のバイオテクノロジー技術を実際の農業の中で活かしていこう、そのバイオテクノロジー技術を活かすことで北海道の農業を活性化させる一助となろう」という想い、「バイオテクノロジー技術を北海道の大地に根付かせよう」というのが、当社の出発点でありました。

当社はバイオテクノロジー技術を使って苗を生産し、その苗を販売するということから、さらに収穫された果実を販売するところまで事業分野は広がっております。

当社グループは、農業を基盤とし農業に立脚しながらも、農業そのものを事業として行っていくのではなく、農業生産者と消費者をつなぐかけ橋となり、当社の有する種苗、技術、情報を積極的に提供していくことによって、農業の活性化に寄与していくことを事業の根幹としております。今後も、当社の原点「バイオテクノロジーをラボラトリーからフィールドへ」、そして「消費者とともに日本の農業を考え、農業活性化の一助を担う」心積もりを経営の根幹をなす経営理念として捉えていきたいと考えております。

(2)当社グループを取巻く環境

①国内農業の現状

国内農業については、依然として厳しい状況が続いております。原材料価格の高騰は農業用資材コストに反映される一方で、農産物の価格に全てを転嫁することは難しく、国内農業生産者の所得が確保しづらい状況にあります。また後継者不足、高齢化が言われ、農業生産者の減少といった現状に直面しているものと認識しております。

また、農産物の輸入自由化が進み、海外から様々な農産物が入ってくるようになり、輸入量は増大し、国内農産物の自給率は依然として低いままで推移しております。

しかしながら、最近の食の問題から消費者の安全、安心志向は強まり、国産の農産物に対する消費者の関心は高まっており、より良いものあるいは安全、安心という付加価値農産物を作る動きもあります。また新規就農者や農業生産法人を積極的に設立する動きも増え、企業が農業ビジネスへ参入するなどの変化が生じております。

②業務用いちごの現状

いちごは、農業生産物の中では極めて付加価値の高い作物と言われております。しかし、いちごは高い鮮度が要求され、衝撃、高温等の環境変化に弱いため、輸送や長期保存が難しい農業生産物であります。

現在、業務用いちごは、概ね12月から5月頃までは栃木県や福岡県を中心とした一季成性いちご※1が中心となっております。また6月から11月まではアメリカ産輸入いちごが大部分を占めており、2025年のいちご果実(生鮮)の輸入量は約2.3千トン(大部分が6月から11月までの6か月間に輸入される)であります。

アメリカ産輸入いちごは、一般に、国産に比べ食味、食感に大きく劣ると言われており、果皮が硬く、輸送性が高いため、国産いちごの供給量が少ない夏から秋にかけて、業務用として国内に入ってきております。

※1 いちごには、花芽分化形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちごであり(とちおとめ等)、一定の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続する短日条件と温度の低下という低温条件)が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。

(3)優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題

①いちご果実・青果事業の収益拡大

当社は、夏秋期において自社いちご品種「ペチカほのか(商品名:夏瑞/なつみずき)」「ペチカエバー(商品名:コア)」を中心に販売しております。生産者の高齢化等で自社品種の栽培面積は減少傾向にあり、近年の猛暑の影響も重なって出荷数量が減少しております。これに対処すべく、出荷時期を早期化し、高温時期は収穫を中断してしっかりと株を休ませるという栽培管理を実践し、秋の収穫量の確保に努めます。

促成いちご販売時期においては、近年の品種の切替わりによる出荷動向や、市場相場価格の動向を勘案し、採算性を重視した仕入および販売体制を継続いたします。

また、近年の物価高による消費者の節約志向により、いちご果実の販売数量が減少していることを受け、従来とは異なる分野での需要も喚起し、新規販売先の開拓を推進してまいります。

②種苗事業の収益拡大

種苗事業は、自社いちご品種の種苗販売を主力としておりますが、生産者の高齢化や温暖化などの栽培環境の変化により、自社品種の栽培面積は減少し、それに伴い種苗の販売本数も減少しております。今後も同様の状況が続くと想定されることから、国内の標高の高いエリアなど、さらに冷涼な地域での産地開発を推進いたします。

また、当社の種苗事業の根幹は品種開発にあり、これまでに、夏秋期の国産いちご市場を築き上げた「ペチカ」をはじめ、極めて収量性の高い「ペチカエバー」、食味の良さが特長の「ペチカほのか」といった品種を開発してまいりました。特に「ペチカほのか」の食味の良さは、国内だけではなく海外からも高い評価を受けており、海外でのライセンスを視野に入れた事業展開を進めております。さらにこれらに次ぐ優れた特性を持つ様々な品種についても海外での栽培や市場適性を検証したうえで、現地での商業栽培を進めてまいります。

国内の新規産地の開拓および海外での事業を推進することで種苗事業の収益拡大に努めてまいります。

③馬鈴薯事業の収益の維持

馬鈴薯事業においては、主に種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売を行っております。当社は、「男爵」や「メークイン」といった国内の一般品種の取扱いのほか、一般品種とは異なる食味、加工適正、病虫害抵抗性といった特性を持つ海外で育種された馬鈴薯品種の国内販売権を有しております。種馬鈴薯の生産者も年々減少傾向にあることから、海外の品種及び一般品種も含めた適正な数量の仕入管理を継続することで、馬鈴薯事業の収益の維持に努めてまいります。

④運送事業の収益の向上

運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は営業基盤を関東圏に特化し、事業を展開しております。物流業界は2024年問題もあり、いかに効率の良い新規配送業務を受託できるかが重要となります。それに向けた営業の推進はもとより、ドライバーの充実を図り自社配送の比率を高めることで、収益の向上を目指してまいります。

⑤人材の育成について

当社の事業は、農業と密接に関わっております。近年の農業を取り巻く環境は急速に変化しており、気象変動等に対する有効的な対処が必要となっております。しかし、それらに対処するための栽培に関する知識は短期間で習得できるものではなく、机上の学習だけでは得ることができない経験を積むことが重要であります。

また、当社は永年にわたり夏秋いちごの品種開発も行っております。当社がこれまで蓄積してきた栽培、育種に関する技術、ノウハウを社内で共有、継承していくために、今後も優秀な人材の確保、育成に努める方針であります。

Source: annual securities report, FY ending Jun 2026 S100Z3MP

Industry peers

ROE rank 11 of 11

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