3-D Matrix,Ltd.
3-D Matrix,Ltd. — latest annual results, FY2025 (Apr 2026)
In FY2025 (ended Apr 30, 2026), 3-D Matrix,Ltd. (7777) reported revenue of ¥10.9B (+57.0% YoY), operating income of ¥1.3B and net income to owners of ¥4.2B. Figures are consolidated, J-GAAP.
Source: annual report (filed Jul 22, 2026)S100YR3G
Performance
FY2025 (Apr 2026)FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Apr 2026) runs May 1, 2025 – Apr 30, 2026.
Key metrics
FY2025 (Apr 2026)Source: filing S100YR3G · FY2025 (Apr 2026)
About this data
- Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Apr 2026): consolidated.
- Accounting standard for FY2025 (Apr 2026): J-GAAP. A change of standard starts a new series.
- FY2025 (Apr 2026) is the fiscal year ending Apr 2026.
- A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
- Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
- Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).
About
shown in Japanese当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成され、MITより自己組織化ペプチド技術に係る特許の独占的実施権の許諾を受けて、同技術を基盤技術とした製品の研究開発・製造・販売を実施することを目的とした医療製品事業を行っております。 当社グループは、医療製品事業の単一セグメントであり、医療製品開発・販売で構成されております。その内容は以下のとおりです。 (医療製品事業の構成) 区分 内容 医療製品開発・販売 自己組織化ペプチド技術を基盤技術として外科領域・組織再生領域・DDS領域において医療機器及び医薬品の研究開発を行う事業です。 主要な開発パイプラインとしては、外科領域では吸収性局所止血材、粘膜隆起材、後出血予防材、癒着防止材を有しており、組織再生領域では創傷治癒材、歯槽骨再建材、DDS領域では核酸医薬等のためのDDSを有しています。 (1)自己組織化ペプチド技術の特徴 当社グループの基盤技術となっている自己組織化ペプチド(*)のうち最も開発が先行し複数の製品を上市しているペプチドRADA16は、体を構成するアミノ酸(*)であるアルギニン(R)(*)、アラニン(A)(*)、アスパラギン酸(D)(*)からなる(RADA)の繰り返し配列である16残基のペプチド(*)であり、このペプチドを溶解した水溶液はpH(*)が酸性から中性になると速やかにゲル化(*)する性質を有しています。具体的には、分子同士が繊維状に結合(自己組織化)してナノファイバーを形成し、そのナノファイバーが絡み合うことでゲル化します。形成されたゲルは生体内で細胞が培養される環境に近く、コラーゲン等の細胞外マトリックス(*)に似た網目構造をしています。 当社の自己組織化ペプチドは、生物由来の原材料を含まず化学合成により生産されることから、生物由来の原材料から生じるウイルス等の感染や未知の成分の混入の可能性がないため安全性が高く、ほぼ均一の品質で大量生産が可能な点が特長として挙げられます。自己組織化ペプチドは、これまでに実施したADME試験(*)において、特定の臓器に蓄積されることなく、生体内のタンパク質と同様にタンパク質分解酵素(*)により分解され、30日程度で体外に排出されることが確認されています。 (2)医療製品開発 医療製品開発は、自己組織化ペプチド技術を基盤技術として外科領域、組織再生領域、DDS(*)領域において医療機器及び医薬品の開発を行う事業です。 主要な開発パイプラインのうち、外科領域では吸収性局所止血材・粘膜隆起材・癒着防止材、組織再生領域では歯槽骨再建材・創傷治癒材についてはそのいずれについても、医療機器として自ら開発し製造販売承認を取得する方針ですが、地域によっては薬事規制、市場動向、当社グループのリソース等を勘案して現地企業等と提携することでの製品化も実施していく方針です。販売についても製品、地域に応じて、代理店を通じての直接販売及び販売パートナーに対する販売権許諾の双方の戦略を適切に選択しあるいは組み合わせていく方針です。DDS領域では、自己組織化ペプチドを薬剤の担体(*)とし、各薬剤と組み合わせた製品化に向け取組んでおりますが、医薬品として開発することとなる可能性が高く当社独自で薬剤や治療物質について技術を取得するには時間を要することからも、製薬会社等に技術供与(ライセンス)を行うことによりロイヤリティー等のライセンス収入の獲得を目指してまいります。 その他当社グループでは、大学等の研究機関とのMTA契約(*)及び共同研究契約に基づく共同研究によって、自己組織化ペプチドを基盤とした応用技術の獲得に取組んでいます。 A 各領域及び各パイプラインの概要 (A) 外科領域 当社は、外科領域において、吸収性局所止血材、粘膜隆起材、癒着防止材の開発パイプラインを有しています。 a)吸収性局所止血材 当社は、自己組織化ペプチドであるRADA16を基に、出血部に塗布して用いる外科手術用の吸収性局所止血材(開発コード:TDM-621)(以下「TDM-621」という。)の開発を進めています。RADA16の水溶液は、血液等の体液と接触するとpHが中性化され、自己組織化してナノファイバーを形成しゲル化します。ゲルは体組織との接触面を隙間なく被覆し、被膜が形成されて表面皮膜及び血管浅部を物理的に閉鎖し、血管深部では血液凝固が生じることで止血されます。 <自己組織化ペプチドのゲル化形成> 自己組織化前のペプチド分子 <止血方法 概略図> TDM-621は、RADA16の水溶液をシリンジに無菌充填したプレフィルドシリンジ(*)形態で、ブリスター包装(*)された製品であるため、手術現場では、パックを開封してすぐに使用することが可能であること、使用前の調製の必要がない等、適用量が調整しやすく操作性に優れていることといった特長を有しています。また、澄明な液体形状であることから術野を妨げることがなく、カテーテルや組織の狭部への適用も容易です。 既存の止血剤製品群(*)は、糊状・シート状・粉末状等の形状がありますが、主として糊のように機能して接着することにより止血効果を得るものであるのに対し、TDM-621は物理的に表面皮膜及び血管浅部を閉鎖して止血するものであるため、既存製品と異なり接着による待ち時間、圧迫による圧着時間を短縮することが可能です。また、既存製品は、一度組織に接着すると除去が困難であるのに対し、TDM-621は、余剰部分を生理食塩水により洗い流すことで容易に除去することができます。既存製品の多くは、フィブリノゲン(*)等の人や動物の血液から生成又は動物の皮膚から生成したコラーゲン等を原材料としており、これらの原材料から生じるウイルス感染等のリスクは完全には否定できないことから、生物由来製品又は特定生物由来製品として指定されており、医療現場においては、① 患者(又はその家族)への適切な説明、② 使用記録の作成と保管、③ 感染症等情報の報告等における管理体制の厳格化が要請されます。これに対してTDM-621は、生体内に存在するアミノ酸を化学的に合成したもので生物由来の細胞、組織等を原材料として含まないため、これらの原材料から生じるウイルス等の感染や未知の成分の混入によるリスクがありません。また、生物由来製品又は特定生物由来製品に求められるプロセスが不要なため、TDM-621は患者と医療従事者の負担の軽減にも貢献できるものと考えられます。 b)粘膜隆起材 当社は、自己組織化ペプチドを基に、消化器内視鏡治療による胃癌や食道癌等の粘膜切除術や粘膜下層剥離術(*)において、腫瘍部位の粘膜隆起を形成する内視鏡用粘膜下注入材(*)(開発コード: TDM-644)(以下「TDM-644」という。)の開発を進めています。胃や食道等の早期癌治療において行われる内視鏡による粘膜切除術や粘膜下層剥離術では、粘膜下層に生理食塩水や内視鏡用粘膜下注入材を病変部の粘膜下層に注入し、病変部を隆起させ、隆起させた根元部分に細いワイヤーをかけて締めた上で高周波を流して焼き切り(内視鏡的粘膜切除術)又は隆起させた病変部を粘膜下層の深さで電気メスにより引き剥がし(内視鏡的粘膜下層剥離術)、病変部を取り除きます。この病変部を隆起させるために用いられる内視鏡用粘膜下注入材として開発しているのがTDM-644であり、血液等の体液と接触することで中性化しゲル化して必要な隆起を形成するものです。 <粘膜隆起方法 概略図> c)後出血予防材 当社グループにおいては、TDM-621について治療後に起こる後出血について医療機器としての承認を得るべく開発を進めています。治療時に後出血が生じると、再手術が必要となることから患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。消化器内視鏡治療における出血はおおよそ5%程度であるのに対し、治療後に後出血が懸念されるリスクの高い患者・手技はおおよそ30%あるとされており、本適応の追加により当社製品が獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。 d)新規ペプチドを用いた止血材 RADA16とは異なる、当社が独自に開発した新規ペプチド配列を用いた開発品です。現在の止血材より原価を大幅に削減できる等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。 e )癒着防止材 RADA16について、止血材だけではなく、癒着防止材、創傷治癒材としての開発も進めております。米国においては、耳鼻咽喉科領域において既に販売を開始しておりますが、今後、はるかに大きな市場が存在する産婦人科等の領域に適応拡大をすべく、日本と欧州双方で医師主導治験の準備を進めております。 (B) 組織再生領域 自己組織化ペプチドは、細胞の増殖を支える細胞外マトリックスに似た物理構造を有することから、当社グループでは、組織再生領域において創傷治癒材、歯槽骨再建材を開発パイプラインとして有しております。また、当社グループは、当該パイプライン以外に、歯槽骨以外の骨の再建、軟骨・腱の再生、心筋の再生等に関する研究を行っております。 a)消化管の創傷治癒材 当社グループは、直腸における粘膜炎により損傷した粘膜組織に塗布することで粘膜組織上に保護膜を形成し、二次炎症の防止や痛みの軽減に加え創傷治癒に最適な湿潤環境を維持する創傷治癒材を開発しております。 b)皮膚における創傷治癒材 当社グループは、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の創傷治癒に適切な湿潤環境を維持する、創傷治癒材(開発コード:TDM-511)(以下「TDM-511」という。)を開発しております。 c)歯槽骨再建材 当社グループは、歯周病による歯槽骨の退行で歯が脱落した場合等に、インプラント術前にインプラント固定に充分な骨量を確保するために行う歯槽骨再建術において、骨再生のための足場材(*)となる製品(開発コード:TDM-711)(以下「TDM-711」という。)の開発を行っています。 ゲル化された自己組織化ペプチドは、ナノファイバーによる3次元構造が維持され、生体内で細胞が増殖する環境に近く、生体組織の再生をサポートする特性を有しています。TDM-711は、骨量不足箇所に充填されると、かかる特性により足場材として骨再生を促進します。米国でのインプラント治療における歯槽骨再建術では、代替骨を用いる施術も少なくなく、自家骨(*)や他家骨(*)、人工骨を用いた再建術が行われていますが、当社グループは、他家骨や人工骨を用いた再建術において、その生着を高めるためにTDM-711を用いることの開発を進めております。 (C) DDS領域 当社は、DDS領域において、自己組織化ペプチドをDDSにおける薬剤や治療物質のキャリア担体として活用するための研究開発を行っており、bFGF(*)・PDGF(*)等のタンパク質の徐放においても複数の有効性試験を実施しております。中でも、ハイドロゲルを形成する自己組織化ペプチドとは異なり界面活性(*)作用を持つペプチド(A6K(*))については、溶液中でナノチューブを形成する性質を有するため、当社は、癌細胞へのsiRNA(*)の導入試験において、かかる性質を活かし、ナノチューブに内包された形で癌細胞膜透過性をもたらし、導入効率を高めていく研究を行っております。 B 医療製品の開発プロセス 当社グループが自社による開発や製造販売承認取得を目指している医療製品の多くは、医療機器に分類されます。 新たに医療機器や医薬品を開発する場合、その開発プロセスは、基礎研究、前臨床試験、臨床試験、製造販売承認申請という基本的な流れは共通ですが、医薬品の場合には臨床試験が多段階に設定されており、一般に試験を行うことが要求される対象例や症例数が多く、医薬品の開発プロセスは長期にわたります。 医薬品の開発プロセスでは、臨床試験の試験相が第Ⅲ相まで(第Ⅰ相・第Ⅱ相で少数の健常人や患者に対して投与し安全性や有効性の評価を行い、第Ⅲ相で多数の患者に投与し、安全性や有効性の確認・実証を行う)に分かれるのに対し、当社グループが開発している医療機器では1つの相で比較的短期間に臨床試験が実施されます。 当社グループでは、現在、外科領域における吸収性局所止血材・粘膜隆起材・癒着防止材、組織再生領域における創傷治癒材・歯槽骨再建材を医療機器として開発し、当社グループ自ら製造販売承認を取得しています。なお、DDS領域における自己組織化ペプチド薬剤の担体については、医薬品としての開発となる可能性が高いこと、また、当社独自で薬剤や治療物質についての技術を取得するには時間を要すること等から、主に大手製薬企業への技術供与(ライセンス)を行うことでロイヤリティー等のライセンス収入の獲得を目指します。 当社の医療機器の研究開発プロセスの概要は以下のとおりです。 各プロセス 内容 ① 基礎研究 当社技術が適用可能で医療機器として開発可能なアプリケーションの探索及び製品スペックの最適化を行う。 ② 前臨床試験 医療機器としての条件を満たす安全性、有効性を動物実験により検証を行う。 ③ 臨床試験 患者に対する医療機器の安全性、有効性について検証を行う。 ④ 製造販売承認申請 厚生労働省/PMDA、米国のFDA等の各国の許認可審査機関へ製造販売承認の申請を行う。 ⑤ 製造販売承認取得 厚生労働省/PMDAや各国の許認可審査機関から製造販売承認を得る。 ⑥ 保険収載 各健康保険の適用が可能な償還価格(*)を得る。 ⑦ 上市 医療機器製品として製造及び販売を行う。 C 医療製品開発の事業体制 当社グループでは、小規模・少人数の組織体制で医療製品開発を効率的に進めるため、外部機関を有効に活用して事業を遂行しています。研究開発においては、当社グループがMITから独占的実施権を得ている自己組織化ペプチド技術を基盤技術として、大学・研究機関等とMTA契約又は共同研究契約を締結し共同研究等によって応用技術の獲得に取組んでいます。 当社グループにおける基本的な医療製品事業の流れは以下のとおりです。 (注)1 契約一時金は提携契約締結時に収益となるものであり、マイルストーンペイメントは開発過程において提携契約に定める一定の段階を達成した場合に収益となるものです。 2 業務委託先とは受託臨床試験機関(以下「CRO」という。)や薬事アドバイザー等です。 3 連結子会社である3-D Matrix,Inc.であります。 D MITとのライセンス契約について 当社が開発・販売している製品の基盤となる自己組織化ペプチド技術は、MITの研究者の発明によるものであり、MITは、かかる技術に関連する技術を多数有しています。当社子会社は2003年4月にMITとの間でExclusive Patent License Agreementを締結し、MITから、全世界における医療・生命科学・美容の分野にかかる同特許の独占的実施権(再許諾権付)の許諾を受け、また、当社は2004年10月に当社子会社との間でLicense and Supply Agreementを締結し、当社子会社からアジア地域における同分野にかかる同特許の実施権の再許諾を受けています(なお、2007年10月の米国3-D Matrix,Inc.の当社子会社化に伴い、当社及び当社子会社は2009年4月に同契約について必要な改訂を行っております。)。なお、MITからライセンスを受けている特許以外にも、当社は、次世代の自己組織化ペプチドを独自に開発して、また、当社グループ独自に又は共同研究パートナーと共同で開発した自己組織化ペプチド技術を基盤とした応用技術に関し、当社グループ単独又は共同研究パートナーと共同で特許出願を行い、その中のいくつかについて特許登録を受けております。 (3) 製造 吸収性局所止血材の製造に関して、扶桑薬品工業株式会社及びドイツのPharmpure社との間で製造委受託契約を締結し、製造を委託しております。 (4) 販売 欧州においては、2019年にFUJIFILM Europe B.V.(以下「FUJIFILM」という。)と止血材の消化器内視鏡領域にかかる独占販売契約を締結し、同社において販売を開始しております。その他の領域については主に直販体制による販売を行っております。 米国、日本、オーストラリアにおいては、直販体制による販売を行っております。 (用語解説) 用語 意味・内容 自己組織化ペプチド 生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。 510(k) 既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。 アミノ酸 同一分子内にカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(NH2)を有する化合物。 アルギニン(R) タンパク質を構成する塩基性アミノ酸の一種。ヒトの非必須アミノ酸であり、天然に存在し食物では肉類・大豆・牛乳に多く含まれる。 略号はR又はArgで表記される。 アラニン(A) タンパク質を構成する中性アミノ酸の一種。ヒトの非必須アミノ酸であり、天然に存在し食物では肉類・大豆・牛乳に多く含まれる。 略号はA又はAlaで表記される。 アスパラギン酸(D) タンパク質を構成する酸性アミノ酸の一種。ヒトの非必須アミノ酸であり、天然に存在し食物では肉類・大豆・牛乳に多く含まれる。 略号はD又はAspで表記される。 ペプチド アミノ酸が2個以上結合した化学物質(結合するアミノ酸の数によってジペプチド、ポリペプチド等とも呼ばれる)。 pH 酸性、アルカリ性を表す指標(水素イオン濃度)。 ゲル化 液体的な柔軟性を持ちつつ、個体のような弾力性を有する吸収性高分子素材であるゲルを生成すること。 細胞外マトリックス 細胞の外側にあるコラーゲン等の構造タンパク質、細胞の生着・増殖等を支える足場(Scaffold)材。 ADME試験 ADMEとはAbsorption(吸収)・Distribution(分布)・Metabolism(代謝)・Excretion(排泄)の頭文字をとった名称で、医薬品等が体内に服用されてから体外に排泄されるまでの経過のこと。ADME試験とは、体内にある薬又は同等物の体内での存在期間、排出過程を時間単位で追跡していく薬物の動態試験。 タンパク質分解酵素 タンパク質又はペプチドのペプチド結合を加水分解して、複数個のアミノ酸又はペプチドを生成する酵素であり、プロテアーゼ・ぺプチダーゼともいう。 DDS 必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。 担体 吸着や触媒活性を示す物質を固定する土台となる物質。 MTA契約 研究試料供給契約をいう。研究試料(試薬、遺伝子や細胞、実験動物等)の提供を行うための契約で、その試料の取扱や権利、免責等について規定する。 プレフィルドシリンジ 治療等に必要である医薬品が注射器(シリンジ)にあらかじめ充填され、すぐに使用できる状態のもの。 ブリスター包装 片面に比較的堅い材質の板状のものを使う薬の包装や厚紙を台紙とし商品名等を印刷し、板状のプラスチックをバキュームフォーム等で成型し商品を囲み込み台紙に接着した又はスライド式着脱可能な包装のこと。 止血剤製品群 外科手術等で生じた比較的狭い範囲での出血を止めるために使用されるもので、外科手術等において止血用途で使用される止血剤や組織接着剤等を含めた広義の製品群。 フィブリノゲン 血液凝固因子の一つで、線維素性の血漿蛋白原。 粘膜下層剥離術 癌の周囲にヒアルロン酸等の薬液を注射し、十分な粘膜下膨隆を作った上で、さまざまな電気メスを用いて癌を少しずつ切りはがしていく早期胃癌や早期食道癌に対する比較的新しい手術方法。電気メスを用いて切り取るため、内視鏡的粘膜切除術とは異なり、切除する組織の大きさに制限がなく大きい病変を一括して切除することが可能。 用語 意味・内容 内視鏡用粘膜下注入材 内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術を実施する際に、病巣部を取りやすくするために、病巣部を隆起させるために使用する生理食塩液やヒアルロン酸等のもの。 足場材 体内にあるコラーゲン等の細胞間マトリックスであり、細胞増殖のための足場となるもの。 自家骨 自分自身の骨。 他家骨 他人の骨。 bFGF 塩基性線維芽細胞成長因子。創傷時における線維芽細胞増殖や血管新生に関与する。 PDGF 血小板由来成長因子。主に間葉系細胞(線維芽細胞、平滑筋細胞、グリア細胞等)の遊走及び増殖等の調節に関与する。 界面活性 少量で液体の表面張力を低下させる物質。 A6K 自己組織化ペプチドの一種で、アミノ酸配列AAAAAAKであるもの。水溶液中で粒子径が約50-100nmのナノチューブを形成する。 siRNA 21-23塩基対から成る低分子二本鎖RNA。siRNAはRNA干渉(RNAi)と呼ばれる現象に関与しており、伝令RNA(mRNA)を分解することによって配列特異的に遺伝子の発現を抑制する。 償還価格 健康保険の給付対象となる医療機器等について、厚生労働省が定めた価格。
Management policy & medium-term plan
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」を企業理念とし、外科領域、組織再生領域等において製品開発を続け、グローバルな競争力を獲得することに努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、医療機器の開発企業として、製造販売承認を取得予定の製品の安定供給体制・販売体制の構築及び製品のグローバル展開を目指しており、国内外の適応拡大に向け経営資源を配置いたします。さらに、その他の各パイプラインや現在国内外の研究機関で応用研究が進んでいる次のパイプライン候補の事業化に注力いたします。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、医療機器や医薬品の研究開発投資を行う先行投資型企業であります。外科領域では吸収性局所止血材、後出血予防材、粘膜隆起材、癒着防止材等を開発しており、組織再生領域では歯槽骨再建材、創傷治癒材等の開発をしております。このパイプライン群を早期に製品化し、製品販売で収益を確保することが安定的な企業運営に繋がることから、事業収益を主要な経営指標に位置付けております。また、そのためには当社グループ内の基礎研究の共有や効率化を実施し、臨床開発等の研究開発費を効率よく管理していく必要があり、その観点からは研究開発費も重要な経営指標に位置付けております。
なお、2027年4月期は、製品販売による事業収益は13,422百万円、研究開発費は1,142百万円を計画しております。
(4)対処すべき課題
当社グループは、医療分野を取り巻く現状を分析し、それらを踏まえた最善の事業戦略の策定及び推進実行に向けて、具体的には以下のような点が事業運営上の課題と認識しております。
①事業収益拡大とコスト削減
当社グループは、主力製品である止血材について、世界最大の市場を有する米国のほか、欧州、日本、オーストラリアにおいて、本格的に製品販売を実施しております。売上成長を最大化するために、各極において営業体制を確立・拡大し、相応の営業費用を投じてきた結果、前連結会計年度以前は営業損失が継続しておりました。しかしながら当連結会計年度には、グループ全体としては業績改善の途上であるものの、米国子会社における業績拡大が進んだことを主因として、営業利益を計上するまでに至りました。
今後も当面の期間は、当社止血材の優位性が高く、売上成長が確実に見込まれる消化器内視鏡領域を引き続き重点領域とし、他領域の営業体制は利益貢献が見込まれる範囲内での活動に留めることで、継続的な売上成長を実現しつつ、同時に確実な収益確保を重視する方針にて進めてまいります。
また研究開発に関しては、引き続き臨床試験を必要としない又は最小規模で実施できる領域に注力してまいります。また、グローバルに見て最も魅力的な米国市場を最終的なターゲットとして、自社コストや時間の最小化に努めつつ、研究開発を継続してまいります。
②資金調達
前連結会計年度以前は、当社グループの事業継続に必要な資金は、主に、投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(以下「ハイツ」という。)に対する転換社債型新株予約権付社債の発行並びに新株予約権の発行及び権利行使により調達しておりました。これらの資金調達手段は、株式市場の動向や株価の下落等により資金を確保できないおそれや、早期償還条項の適用により最終償還日より前に返済を求められるおそれがあったため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められました。
しかしながら、上記①記載のとおり、当連結会計年度には営業利益を計上するまでに至り、その結果、当連結会計年度末における現金及び預金残高は2,830百万円となっております。これに加えて、ハイツに対して発行した全ての転換社債型新株予約権付社債の償還又は転換が完了したことにより、早期償還条項の適用により最終償還日より前に返済義務を負うおそれもなくなっております。さらには、取引金融機関と交渉し、新規の当座借越契約及び既存のコミットメントラインの融資枠の拡大も行われております。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。
なお、以上のことから、当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消し、また、当連結会計年度末の翌日から1年間の資金繰りに重大な懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断した結果、「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。
③研究開発体制及び経営管理体制の強化
当社グループは、パイプラインの進展及び事業のグローバル展開に対応するため多様化するリスクを把握し、これに対処するための研究開発体制や経営管理体制の強化を経営課題と認識しております。
当社グループは、研究開発において小規模の体制で各規制当局の定める基準に準拠した体制を構築し、複数の製品開発を実施しております。今後、研究開発活動がさらに拡大、グローバル化した際にも必要な情報の収集を行い、社内規程の改訂や継続的社員教育等を通して、法令や規則の遵守のための活動を継続して行ってまいります。
また、当社グループは小規模組織ですがグローバルに拠点を展開しております。そのため、グループ全体での内部統制体制を確立することを目指し、統制項目や業務プロセスを検証し、リスクを洗い出し、それを最小化する取組を実施しております。今後も組織的な内部統制の構築を進めるとともに、組織間の牽制機能の強化やコンプライアンス体制の強化に向け取り組んでまいります。
また今後も、上市製品の増大、事業展開エリアの拡大等、事業ステージに合わせて、充分な体制を維持すべく、事業計画に合わせた人員計画により、高度な専門知識・経験を有する国内外の人材確保や育成、外部リソースの積極活用に努めてまいります。
Source: annual securities report, FY ending Apr 2026 S100YR3G