7318 J-GAAP Industry: Services

SERENDIP HOLDINGS Co.,Ltd.

セレンディップ・ホールディングス株式会社
Ticker 7318 Fiscal year-end Mar 31 3,185 employees

SERENDIP HOLDINGS Co.,Ltd. — latest annual results, FY2025 (Mar 2026)

In FY2025 (ended Mar 31, 2026), SERENDIP HOLDINGS Co.,Ltd. (7318) reported revenue of ¥51.2B (+103.6% YoY), operating income of ¥2.2B (+198.1%) and net income to owners of ¥4.1B (+98.6%). Figures are consolidated, J-GAAP.

Source: annual report (filed Jun 24, 2026)S100YI8U

Performance

FY2025 (Mar 2026)
Revenue
¥51.2B
+103.6% YoY Change
Operating income
¥2.2B
+198.1% YoY Change
Net income to owners
¥4.1B
+98.6% YoY Change
Revenue
Operating income
Net income to owners

FY = fiscal year, named by the calendar year it starts in; the month in brackets is when it ends (FY2025 ends Mar 2026 for a March year-end). FY2025 (Mar 2026) runs Apr 1, 2025 – Mar 31, 2026.

Key metrics

FY2025 (Mar 2026)
EPS (basic)
¥227.28
Book value / share
¥741.96
Return on equity
38.6%
Top 5%, Rank 27 of 586 in Services (latest annual, FY2025)
Net margin
8.1%
Top 30%, Rank 172 of 588 in Services (latest annual, FY2025)
Revenue growth (YoY)
103.6%
Top 2%, Rank 8 of 537 in Services (latest annual, FY2025)
Equity ratio
23.4%
Bottom 9%, Rank 542 of 590 in Services (latest annual, FY2025)

Source: filing S100YI8U · FY2025 (Mar 2026)

About this data
  • Figures are consolidated when the company files consolidated statements, otherwise parent-only. FY2025 (Mar 2026): consolidated.
  • Accounting standard for FY2025 (Mar 2026): J-GAAP. A change of standard starts a new series.
  • FY2025 (Mar 2026) is the fiscal year ending Mar 2026.
  • A blank figure was not reported in the filing, or is not meaningful (e.g. free cash flow for banks); the reason is shown with it.
  • Each year is shown as filed in that year's own report; restatements of past years in later reports are not applied. Year-over-year changes compare with the prior year as the current year's report restates it.
  • Data as of Oct 30, 2026 (newest filing in our dataset).

Data corrections API reference

About

shown in Japanese

当社グループは、当社(セレンディップ・ホールディングス株式会社)及び連結子会社24社で構成され、「モノづくり事業」、「プロフェッショナル・ソリューション事業」、「インベストメント事業」の3つの事業に区分されます。 我が国のモノづくり産業においては、中堅・中小企業が多数を占め、サプライチェーンを支えるとともに多くの雇用を創出しております。しかしながら、これらの中小企業オーナー経営者の高齢化に伴い、高い技術力・製品力がありながらも後継者不在により事業の継続が困難となり、多くの中小企業が廃業に至るという社会問題が顕在化しております。 また、後継者不在という理由に限らず、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営管理体制が十分に構築されていない、少子高齢化に伴う労働力不足等によって経営資源を充分に確保できない、生産性が低く稼ぐ力が弱いといった課題を抱えた中堅・中小企業も数多く存在します。 このような課題を抱えた中堅・中小企業に対し、当社は「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出というグループビジョンを掲げ、M&Aによる事業承継、中小企業が直面する複雑で高度な経営課題に対応できるプロ経営者の派遣及び経営執行にコミットしたPMI(※1)の実行、顧客企業の企業価値の回復・向上を図る一連の経営コンサルティング等、「中小企業経営の近代化(※2)」に資する総合的なソリューションを提供しております。 (※1)PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合プロセス)とは、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指します。統合の対象範囲は、経営、業務、意識など統合に関わる全てのプロセスに及びます。M&Aが企業活動にもたらす成果の度合いは、このPMIの巧拙によって決まると言われます。 (※2)企業が継続的な成長を図るためには、限られた経営資源を有効活用して、社会環境や産業構造の急激な変化に対応していくことが求められます。このような変化を敏感に察知して、時代にフィットした経営を行うことを、当社では「経営の近代化」と呼んでいます。 当社グループは「事業承継(投資)×モノづくり(経営)」を事業領域とし、事業承継を目的としたM&A(事業承継型M&A)によってモノづくり企業を中心とした中堅・中小企業を当社グループの傘下に収める「投資」と、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営執行によって企業価値の回復・向上を図る「経営」を主軸とした事業を行っております。 例えば、M&A仲介会社であれば、基本的に譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせ、提携条件の調整、取引の実行までに係るM&Aプロセスでのサービス提供を主たる事業とし、また経営コンサルティング専業会社であれば、基本的に顧客企業の自主独立による成長に対するソリューション提供を主たる事業としております。 一方、当社グループは、経営権の譲渡を希望する中堅・中小企業の開拓、M&A戦略の立案、対象企業の選定・アプローチ、各種デューデリジェンス(調査・分析)、企業価値算定、ファイナンスアレンジ(資金調達等)、取引条件・契約交渉、クロージング(資金決済等)手続といったM&Aに関わる全般的な業務を当社グループ内で一気通貫して行っております。 また、当社はプロ経営者のチームでの派遣及び経営執行にコミットしたPMIにより現場・財務・経営を徹底的に見える化し、ムリ・ムダ・ムラの排除によって生産性を高め、また数値を集約することによって意思決定のスピードと精度を高める経営管理体制の構築を行います。更には、長期的な企業価値向上を図るため、グローバル化への対応、新技術・新製品への成長投資を実行し、「中小企業経営の近代化」を推進しております。 以上により、事業承継に課題を抱えたモノづくり中堅・中小企業に対し、事業承継型M&Aという「投資」による経営改革(ターンアラウンド)を実施し、その後の経営執行にコミットした「経営」による経営改革(ターンアラウンド)を実施するといった、シームレスな(途切れのない)経営改革を行う点が当社の特徴であります。 当社グループの各事業の内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。 なお、次の3つのセグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 セグメント名 事業内容 主な製品・サービス グループ会社名 モノづくり事業 オートモーティブ サプライヤー 自動車内外装部品 (ラゲージルーム内装部品、フェンダーライナー・リアホイルハウスライナー等外装部品) 三井屋工業㈱ 自動車精密・金属部品 (オートマチック機能部品、プレス・溶接加工) ユニクレア㈱ 自動車内装部品 (ダクト等の樹脂成型品の開発・製造) エクセル・グループ 自動車部品へのめっき・表面処理加工 サーテックカリヤ・ グループ FA装置製造 コネクタ自動組立機、電池関連自動組立機、クリームはんだ印刷機 天竜精機㈱ 試作品製作 開発段階における試作品製作 ㈱アペックス ビューティー テック 業務用美容機器開発・製造・販売 ㈱レディーバード プロフェッショナル・ソリューション事業 プロ経営者派遣 事業承継・事業再生等 当社 セレンディップ・ ロボクロス㈱ 経営 コンサルティング 経営・IT・現場改善(DXツール提供・協働ロボット導入支援等)コンサルティング エンジニア派遣 設計・開発・ITエンジニア派遣、 ソフトウェア開発 アクストリア㈱ インベストメント事業 投資・M&A関連 共同投資、ファンド フィナンシャル・アドバイザリー セレンディップ・フィナンシャルサービス㈱ (1)モノづくり事業 「モノづくり事業」においては、当社が事業承継を目的としたM&Aによって傘下に収めたモノづくり企業が自動車部品製造、FA装置製造、試作品作成及び美容機器の開発製造販売を行っております。 日本のモノづくり産業においては、自動車産業が基幹産業の一つとなっております。そのため、自動車産業に関わる中堅・中小企業の事業承継促進や収益力の強化が日本経済の発展にとって重要な課題であり、当社はこれらの自動車産業に関連する製造企業を連結子会社として傘下に収め、「中小企業経営の近代化」によって企業価値の向上を図っております。 また、少子高齢化による労働力不足や海外生産拠点の人件費上昇といった課題への解決策として、モノづくり産業における工場の省人化・FA化が進展しております。今後も省人化・FA化に関連する市場は拡大していくと考えられ、当社もFA装置製造企業を連結子会社とし、当社グループの成長において重要な位置づけとしております。 ① 自動車内外装部品製造(三井屋工業株式会社) 三井屋工業株式会社は、1947年創業の自動車内外装部品メーカーです。主力製品は、自動車のラゲージルーム内装部品とフェンダーライナー・リアホイルハウスライナーといった外装部品であり、トヨタ自動車株式会社を長年主要顧客としております。 三井屋工業株式会社はトヨタ自動車株式会社と直接取引を行うサプライヤーであるため、新車種の企画段階から開発に参画し、顧客ニーズの早期把握に留まらず要求性能そのものを顧客とともに作り込むことが可能であります。自動車メーカーから発注された部品を単に納めるのではなく、自社の技術力を最大限に活かした機能性部品を顧客とともに考案することができ、高付加価値部品の製造・販売が可能という強みがあります。 また、三井屋工業株式会社では顧客の多様なニーズに応えるために競争力の高い材料を常に開発し続けており、主要素材は自社オリジナル品であります。特に、吸遮音性と軽量化を追求した材料は顧客より高い評価を得ております。近年では、自動車の車外騒音規制がより厳しくなるとともに、EV等のエコカーの生産・販売台数が増加しているなか、自動車部品にはこの吸遮音性と軽量化の両方が求められております。今後もその傾向は続くと考えられるため、このような付加価値の高い新材料を開発していくために、引き続き材料メーカーや化学メーカーと共同で材料開発に取り組んでまいります。 2002年には、三井屋工業株式会社が開発した軽さと剛性を兼ね備えた新素材である発泡PP材(※1)が、トヨタ自動車株式会社の技術開発賞を受賞いたしました。 2021年には、東北エリア及び関東エリアに自動車組立生産拠点を置く顧客へ迅速かつ柔軟に対応するため、山形県米沢市に東北工場を新設しました。東北工場では、当社グループが考えるスマートファクトリー(※2)構想を具現化するため、様々なデジタルデバイスの実装や生産性の高い設備導入を行いました。 (※1)発泡PP材とは、材料であるPP(ポリプロピレン)の内部に小さな気泡を入れることで剛性を備えたまま軽量化に成功した新素材です。 (※2)スマートファクトリーとは、工場内のあらゆる機器や設備、工場内で行う人の作業などのデータを、 IoT(モノのインターネット)などを活用して取得・収集し、このデータを分析・活用することで新たな付加価値を生み出せるようにする工場を指します。 ② 自動車精密・金属部品製造(ユニクレア株式会社) ユニクレア株式会社は、高度な精密プレス加工技術及び自動車のボディ・シート部品の金属加工技術を持つ自動車精密部品メーカーです。主力製品は、自動車のオートマチックトランスミッション(AT)の機能部品であるプレート・バルブボデーであり、株式会社アイシンを主要顧客としております。順送プレス量産加工において板厚の半分以下(最小0.68mm)の穴を抜くという高度な精密プレス加工技術を持っております。極小の穴や楕円形など特殊な形を開けるためのパンチを金型から自社で設計・製造することによって、順送プレスでは難しいと言われていたこの精密プレス加工を可能としました。 また、自動車の軽量化・高剛性化の潮流に対応する高張力鋼材(ハイテン材)の加工においても大きなアドバンテージがあります。 不良品を出さない製造工程の設計と確認作業の徹底によって、2018年度には顧客目標0.51ppm(製品5,500万個中、不良品28個以内)を大幅に下回る不良率0.13ppm(製品約5,500万個中、不良品7個)を達成しました。2019年には、アイシン精機株式会社(現・株式会社アイシン)のグループ原価賞及びアイシン・エィ・ダブリュ株式会社(現・株式会社アイシン)の総合優秀賞を受賞しました。 ③ 自動車内装部品(エクセル・グループ) エクセル・グループは、高い設計(形状)自由度、性質の異なる樹脂材料の一体成形を特徴とする3次元ブロー成型をコア技術として、主に自動車部品ダクト等の樹脂成型品の開発・製造を行っております。その歴史は50年以上に及び、他社の追随を許さない高い技術力・開発力を有しております。 また、同社は、アメリカ・タイを中心に、グローバルに製品を製造・供給する体制を構築しております。同社の自動車部品ダクトは、乗用車のみならず、トラックやピックアップトラックにも採用されているのが特徴で、HEVのみならずEVへの移行期のつなぎとして最近注目されているPHEVにも継続的に採用されております。さらに、EVが不向きとされる積載量が多く長距離を走る大型トラックに有望なFCEVについても、その技術力・提案力を武器に、いち早くメーカーと共同で開発に取り組んでおります。 ④ 自動車部品へのめっき・表面処理加工(サーテックカリヤ・グループ) サーテックカリヤ・グループは、金属の表面に耐熱・耐摩耗・防錆などの機能を付加する表面処理技術のパイオニアであり、自動車のエンジン、ブレーキ、空調部品といった安全性・信頼性が求められる部品への採用実績を多数有するなど、高機能部品の量産加工に強みを持ち、表面処理の機能性めっき分野におけるリーディング・カンパニーとしての地位を確立しています。 同社は、無電解ニッケルや亜鉛・銅などを用いた多様なめっき加工に加え、アルマイトなどのめっき以外の表面処理技術と生産設備を保有し、日本・タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン・メキシコなどに生産拠点を展開することで、グローバルに展開するメーカーに同社製品を安定供給できる体制を構築してきました。 また、製品ごとの仕様に応じた専用生産設備を自社グループ内で企画・製造する体制を持ち、短納期と高い生産性を両立する柔軟な設備開発力も同社の大きな特長です。さらに、自動車の電動化が進展する中、同社は75年の歴史の中で培ったこうした強みと、長年にわたり築いてきた強固な顧客基盤を背景に、急速に需要が高まる電動コンプレッサー(EV・HVなど電動車の空調システムの部品)をはじめ、インバータ(電力を制御する装置)やバスバー(大容量の電流を流す部品)など電動車に不可欠な領域においても、メーカーと共同で先行開発に取り組むなど、脱炭素・電動化の潮流に沿った事業領域の拡大を進めております。 ⑤ FA装置製造(天竜精機株式会社) 天竜精機株式会社は、1959年の創業以来一貫して工場の製造工程を自動化・省力化するための装置を開発・製造するFA装置メーカーです。主力製品は、個別受注生産品であるコネクタ自動組立機・電池関連自動組立機等と、量産品であるクリームはんだ印刷機をはじめとした実装関連設備であります。 天竜精機株式会社は、製品の設計や技術開発を担う設計部に、全従業員の約40%の人員が所属しております。この豊富な設計陣容によって、多様な製品・製造法に合わせた軽量化・微細化・高速化等の高度な顧客ニーズに柔軟・迅速に対応し、顧客ごとに最適な機械装置を提供することが可能となっております。 2018年には、印刷条件フルデジタル設定のクリームはんだ印刷機を開発いたしました。時間の経過とともに状態が変化するクリームはんだの粘性特性(レオロジー)をレオロジーアナライザーという製品(2015年商品化)で解析し、その計測データをクリームはんだ印刷機に転送することにより、従来は熟練工の経験を基に手動で設定していた印刷条件が、高い印刷品質を維持したままフルデジタルで設定可能となりました。 ⑥ 試作品製作(株式会社アペックス) 株式会社アペックスは、主に顧客の開発段階における試作品製作を行っており、機械加工、電子制御に留まらず、デザイン、アプリ開発に至るまで、社内一貫製作が可能な技術力を強みとしています。特に、自動車エンドユーザーに対する、新しい顧客体験の提供を可能にするための独自の技術力は、顧客から高く評価されています。また、事業の性質上、試作品の製作を通じて、今後トレンドとなる技術や材料の情報やノウハウを得ることが可能です。当社グループ企業の安定した顧客基盤を共有することで、株式会社アペックスの更なる事業拡大を図ると共に、株式会社アペックスの技術力・デザイン力を生かして当社グループ企業の製品開発力・デザイン力を高め、グループ全体の成長を加速いたします。 ⑦ 美容機器の開発製造販売(株式会社レディーバード) 株式会社レディーバードは、国内の美容ニーズの高まりを背景に、業務用脱毛機器を中心とするコストパフォーマンスの優れた美容機器及びエステ商材の開発・製造・販売を行う企業です。当社は同社の子会社化により、新たにビューティーテック市場に参入します。当社グループ企業の知見を活かし、同社が提供する最終製品のデザインの高度化を進めるとともに、より付加価値の高い製品へ製品領域を拡大していきます。 (2)プロフェッショナル・ソリューション事業 「プロフェッショナル・ソリューション事業」においては、事業承継等の経営課題を抱えた中堅・中小企業や技術力強化を推進するモノづくり企業へ、プロ経営者やエンジニアといった当社グループの各種プロフェッショナルを派遣し、経営課題や技術的課題に対するソリューションを提供しております。当該セグメントには、当社、セレンディップ・テクノロジーズ株式会社及びセレンディップ・ロボクロス株式会社が属しております。 また当社グループにおいて、当社及びセレンディップ・テクノロジーズ株式会社はグループ各社の横断的機能を担っております。当社は、グループ各社の経営の近代化を推進する経営執行の役割を担い、プロ経営者派遣及びPMIを実行するとともに、バックオフィス業務強化のためのサポートやグループ各社の交流促進など、グループ全体の組織の活性化を図っております。セレンディップ・テクノロジーズ株式会社は、外部顧客のみならず当社グループ内へのエンジニア派遣を行い、技術交流及びR&D(新技術の研究開発活動)を促進する役割を担っております。 ① プロ経営者派遣(当社) 当社は、中堅・中小企業が直面する複雑で高度な経営課題に対応できる「プロ経営者」を派遣しております。 我が国のモノづくり産業においては、中堅・中小企業が多数を占め、サプライチェーンを支えるとともに多くの雇用を創出しております。しかしながら、これらの中小企業オーナー経営者の高齢化に伴い、高い技術力・製品力がありながらも後継者不在により事業の継続が困難となり、多くの中小企業が廃業に至るという社会問題が顕在化しております。 また、後継者不在という理由に限らず、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営管理体制が十分に構築されていない、少子高齢化に伴う労働力不足等によって経営資源を充分に確保できない、生産性が低く稼ぐ力が弱いといった課題を抱えた中堅・中小企業も数多く存在します。 このような課題を抱えた中堅・中小企業や、事業承継を目的としたM&Aによって傘下に収めた連結子会社へ、当社よりプロ経営者を派遣し、経営執行にコミットした経営改革(ターンアラウンド)の実行、顧客企業の企業価値の回復・向上を図る一連の経営コンサルティング等の「中小企業経営の近代化」に資する総合的なソリューションを提供しております。 ② 経営コンサルティング(当社・セレンディップ・ロボクロス株式会社) DXに対する各社の取り組みの本格化、中堅・中小企業の基幹システムの再構築需要の増加に伴うITコンサルティングのニーズや、少子高齢化による人材不足を解消するため、現場の省人化を実現する製造コンサルティングニーズも増加しております。 このような経営課題を抱える中堅・中小企業の課題解決・経営改革(ターンアラウンド)に寄与するため経営改善効果を実証したIoTツールや協働ロボット等の活用等、総合的なソリューションを提供しております。 ③ エンジニア派遣(アクストリア株式会社) アクストリア株式会社は、2026年4月に当社のDXコンサルティング事業を吸収分割によりセレンディップ・テクノロジーズ株式会社へ承継し、同時に社名を変更したものであります。 アクストリア株式会社は、エンジニアを自社の正社員として雇用し、専門性の高いプロフェッショナルのエンジニアを必要とするメーカーに派遣しております。また、ソフトウェアの受託開発も行っております。 モノづくり産業においては技術力の高さが競争力となります。製品の設計や開発といった重要な業務を任せられる人材の不足を補い、自社の技術開発を推進するために、高い専門性を持った人材をエンジニア派遣という形で受け入れるメーカーが増加しております。近年の自動車業界では、自動運転や電動化に関連する激しい技術開発競争を背景に、既存の自動車開発・設計技術とは異なる分野の高度な技術を持ったエンジニアへのニーズが高まっております。 (3)インベストメント事業 「インベストメント事業」においては、金融機関等と連携した共同投資やマイノリティ出資、フィナンシャル・アドバイザリーによって、多様化する事業承継問題に柔軟かつ機動的に対応しております。事業承継等に課題を抱えた企業へのフィナンシャル・アドバイザリーの提供や、共同投資等により投資先企業への経営関与を高め、経営改革(ターンアラウンド)を促進し企業価値の向上を図り売却を通じたキャピタルゲインによって収益を獲得しております。当該セグメントには、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社が属しております。 「インベストメント事業」を取り巻く環境においては、オーナー経営者の高齢化・後継者問題に加え、近年では原材料価格の上昇や人材不足等による事業環境の変化により、先行きに不安感を持つ中堅・中小企業が増加しております。これによって事業承継へのニーズが高まり、事業承継問題の多様化・顕在化がますます加速していくと考えられます。 また、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社は、当社と連携し、当社グループ全体の企業価値を高めるための戦略的な投資先企業の発掘を担っております。 [事業系統図] (注)2026年4月1日を効力発生日として、セレンディップ・テクノロジーズ株式会社は、商号をアクストリア株式会社へ変更しております。 本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で記載する用語の解説は以下に記載しております。 分野 用語 解説 「投資・金融」関連 M&A M&A(Merger&Acquisition):企業の合併・買収 フィナンシャルアドバイザリー M&Aや事業承継の他、資本業務提携や資金調達等のアドバイザー デューデリジェンス 企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査 企業価値算定 M&A取引における企業の価値を客観的に算定すること マイノリティ出資 株式の過半数を超えない投資のこと 「モノづくり」関連 R&D R&D(Research&Development):研究開発活動のこと FA装置 FA(Factory Automation):生産工程の自動化を図る装置のこと クリームはんだ印刷機 プリント基板のパッド上にクリームはんだ(はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を塗布するための装置 ラゲージルーム 自動車の荷室スペース フェンダーライナー 自動車のフロントタイヤを覆っている防音対策の機能部品 リアホイルハウスライナー 自動車のリアタイヤを覆っている防音対策の機能部品 オートマチックトランスミッション(AT) 車速やエンジンの回転速度に応じて変速比を自動的に切り替える機能を備えた自動車の変速機 プレート・バルブボデー ATを構成する油圧制御部品 順送プレス 内部に材料が送られると、複数の工程が順に進行し、1回のプレスで複雑な形状の部品を作ることができ、高い効率とスピーディーな加工が特徴

Management policy & medium-term plan

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出というグループビジョンを掲げ、中小企業経営の近代化(使命)と、よき伝統の尊重と戦略合理的経営を追求していくこと(価値観)を目指しております。中小企業経営において変化が求められる今の時代に、古き良き伝統のみに縛られるのではなく、経営の変革により企業価値を継続・発展させていくことを基本的な経営方針としております。

(2)経営上目標とする客観的な指標

当社グループは、経営上の中核指標(KPI)としてEBITDAを採用しております。

これは、当社が主としてM&Aを通じて事業ポートフォリオの拡充を図るビジネスモデルを採用しており、各子会社の本業から創出される正常収益力およびキャッシュ創出力を適切に把握・比較することが重要であるためです。

EBITDAは、減価償却費および金融費用の影響を受けない指標であり、資本構成や会計処理の差異に左右されず、事業そのものの収益力を評価するうえで有効な指標です。また、当社が活用するLBOファイナンス(※)においては、EBITDAが負債調達余力や返済能力の基礎指標となることから、M&A実行時の投資判断ならびにPMI後の業績管理においても重要な役割を担っております。

一方で、当社グループにおける事業価値の創出は、各子会社の事業パフォーマンスそのものにとどまらず、M&Aスキーム全体を通じたファイナンスアレンジの巧拙によっても大きく左右されると認識しております。すなわち、調達手法や資本構成、返済スケジュールを含む一連のファイナンス戦略は、キャッシュ・フローの安定性や資本効率に影響を及ぼす重要な経営要素であり、事業パフォーマンスを総合的に評価するうえでの重要な評価軸と位置付けております。

このため、当社は財務健全性およびレバレッジ水準の管理指標として、EBITDAに加えNet Debt/EBITDA倍率を併用しております。本指標により、過度な財務リスクを抑制しつつ、成長投資と財務規律のバランスを意識した資本効率の向上を図っております。

以上を踏まえ、当社グループでは、各子会社の本業における収益力の継続的な向上を通じたEBITDAの安定的な創出・拡大に加え、規律あるレバレッジ管理(Net Debt/EBITDA倍率)および最適なファイナンスアレンジを一体として実行することで、キャッシュ創出力の最大化と財務基盤の強化を両立し、グループ全体の持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります。

(※)LBOファイナンスとは、企業やファンドが他社を買収する際、自己資金だけではなく、買収先の資産や将来のキャッシュ・フローを見合いとした借入等で調達した資金を元手に買収を行う方法です。

(3)経営環境

①事業承継・M&A市場

東京商工リサーチが2026年2月に公表した「2025年『全国社長の年齢』調査」によれば、国内企業における経営者の平均年齢は63.81歳となり、調査開始以来の最高水準を更新しております。加えて、70代以上の経営者比率は34.7%に達しており、事業承継の遅れが引き続き日本の構造課題となっております。

一方、帝国データバンクが2025年11月に発表した「全国『後継者不在率』動向調査」では、後継者不在率は50.1%と改善傾向にあるものの、依然として企業の約半数で後継者が不在であり、とりわけ中小企業においては経営の持続性確保が重要な課題となっております。

政策面では、中小企業庁が第三者承継支援を重要施策に位置付けており、後継者不在企業の円滑な承継を後押ししております。こうした環境のもと、国内M&A市場は事業承継ニーズを背景に拡大が続いております。

このような政策的後押しや事業承継ニーズの高まりを背景に、日本企業が関与するM&A件数は着実に増加しております。レコフデータによれば、国内M&A件数は2017年の3,050件から2025年には5,115件へと増加し、過去最多を更新しております。特に事業承継を目的とした中小企業のM&Aは拡大傾向にあり、今後も事業承継ニーズを背景とした市場の拡大が見込まれております。

②自動車内外装部品・自動車精密部品製造市場

日本自動車部品工業会が公表した2024年度(2024年4月~2025年3月)の「自動車部品出荷動向調査結果」によれば、国内自動車部品メーカーの出荷額は全体としては前年度比で微減となったものの、電動化関連部品を中心に分野別では成長が見られるなど、出荷構成に変化が生じております。

品目別では、車体部品が引き続き出荷額構成の中で大きな割合を占める一方、内燃機関関連部品は減少傾向にあり、電動車両向け部品の比率が着実に上昇しております。

このような環境のもと、自動車の電動化(EV化)の進展に伴い、静粛性や快適性、軽量化といった付加価値に対する要求は引き続き高まっており、特に内外装部品や精密部品分野においては、技術対応力や品質確保能力の重要性が一層増しております。一方で、次世代技術への対応や設備投資負担の増加により、部品サプライヤー間の競争環境は厳しさを増しております。

こうした事業環境の変化を背景に、完成車メーカーのみならず、部品サプライヤーにおいても、競争力強化を目的とした事業規模の拡大や再編の動きが進展しております。特に大手・中堅企業を中心に再編が進む一方で、中小サプライヤーにおいては、技術投資、人材確保、及び事業承継への対応が事業継続上の重要な課題となっております。

③機能性表面処理市場

近年、製造業においては、母材そのものの置換に加え、表面に耐食性、耐摩耗性、導電性、摺動性、密着性、装飾性等の機能を付与する「機能性表面処理」の重要性が高まっております。これは、部品の高性能化、長寿命化、軽量化を実現するうえで、表面改質が性能とコストの両面で有効な手段となっているためであります。とりわけ、自動車分野では、電動化の進展に伴い部品構成が変化する一方で、HEVおよびPHEVでは今後も一定期間にわたり内燃機関を搭載した構成が継続すると見込まれ、従来型部品と新たな電動系部品の双方において、表面処理技術の重要性は引き続き高いと考えられます。

HEV・PHEVにおいては、エンジン、排気、熱管理、駆動補機等に関わる部材で、防錆性、耐熱性、耐摩耗性、摺動性を支える表面処理需要が残存する一方、モーター周辺部品、制御系部品等では、導電性、耐食性、接触信頼性を高める機能性表面処理の重要性が高まっております。すなわち、電動化の移行期においては、内燃機関由来の需要が直ちに消失するのではなく、既存需要と新規需要が重なり合うことで、表面処理の適用領域は多層化していると捉えられます。

他方、BEVおよびFCEVでは、高電圧化、軽量化、熱管理、安全性への要求が一段と高まることから、電池周辺部材、電力制御部材、接続部品等において、より高い耐食性、導電性、絶縁性、耐久性が求められております。また、燃料電池分野では、NEDOのロードマップにおいて、金属セパレータ等に対し、長時間使用下での腐食耐性向上と低接触抵抗維持のための表面処理高度化が課題として示されております。さらに、全固体電池を含む次世代電池分野においても、界面制御や表面コーティングは、性能発現および耐久性向上に関わる重要な技術課題として位置付けられております。

加えて、欧州ではELV関連制度のもとで六価クロム等の有害物質使用規制の見直しが継続しており、自動車部品における代替表面処理技術の開発・量産対応力は、環境対応のみならず新規採用機会の獲得にもつながる要素となっております。

このような環境のもと、機能性表面処理市場は、汎用品では価格競争が継続する一方で、HEV・PHEVにおける内燃機関関連部品の高耐久化需要、電動化進展に伴う導電・耐食・接触信頼性需要、BEV・FCEV・電池関連分野における高機能化需要、有害物質規制に対応した代替処理需要の各領域で成長機会が存在しております。したがって、量産安定性、品質保証、環境対応、ならびに顧客要求に応じた処方・工程設計力を有する事業者にとって、高付加価値化と採用領域拡大の余地が大きい市場であると認識しております。

④製造業向け生産自動化ソリューション市場

製造業を取り巻く環境は、労働力不足やサプライチェーン上の制約など複合的な課題が顕在化しており、これらの課題解決の手段として、デジタルソリューションや自動化技術の活用による変革の重要性が高まっております。

経済産業省とNEDOが公表する「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」においても、製造部門単体の部分最適ではなく、開発設計・調達・製造・販売等を含むプロセス全体を俯瞰した全体最適を目指すことが重要である旨が示されております。

こうした背景のもと、製造現場では、単に機械・ロボットを導入するだけでなく、工程課題の整理から、最適な機器選定、システム設計、導入・立上げ、導入後の定着支援までを一体として提供する「生産自動化ソリューション」へのニーズが拡大しております。

特に、多品種少量生産を行う中堅・中小製造業では、「何から手を付ければよいか分からない」といった段階から、課題の可視化と実行可能な解決策の提示、導入後のフォローまでを含めた“伴走型”の支援が求められる傾向にあります。

また、生産自動化の実現には、ロボットや専用機単体の性能だけでなく、供給・加工・組立・検査・梱包・搬送(マテハン)といった複数工程をつなぎ、現場条件に合わせて稼働させるインテグレーション(統合・組み込み)が成否を左右します。

この点、専用・特注自動機の設計・製造に加え、ヒアリングから設計・納品、保守までを一貫して担うライフサイクル型サービスや、導入初期費用にとどまらないTCO(導入~運用・保守までの総コスト)を意識した提案の重要性が高まっております。

さらに、協働ロボット等の活用は、人手不足への対応のみならず、工程の柔軟性向上や段取り負荷の軽減にも寄与し得る一方、現場で“使い切る”ためには、導入設計・運用設計・教育を含む定着支援が不可欠です。

このため、製造業向け生産自動化ソリューション市場は、ハードウェア提供(専用機・周辺設備)と、導入コンサルティング/ロボット・システムインテグレーション/導入後サポートが組み合わさる形で付加価値が形成され、今後も継続的な需要が見込まれる市場であると考えられます。

⑤試作品製作市場

経済産業省の「自動車部品産業の変遷に関する調査」によれば、自動運転技術の進展や車両の電子化(SDV化)に伴い、車両に搭載される機能は高度化・多様化しており、自動車に求められる顧客価値は、従来の走行性能や耐久性に加え、安全性、快適性、さらにはユーザーインターフェースを含む操作性・使い勝手といった分野へ広がっております。

特に、車載HMI(Human Machine Interface)の領域においては、これまで進展してきたタッチパネル中心のインターフェースにおいて、安全性や操作性の観点から課題が顕在化しており、物理スイッチの再評価を含めた、直感的な操作性の向上が求められる傾向が見られます。これに伴い、物理的要素とデジタル技術を融合した「フィジタル(Phygital)」型のインターフェースの重要性が高まりつつあり、ユーザー体験を起点とした製品開発が進展しております。

こうした顧客価値の高度化を背景として、自動車メーカーおよび部品メーカーでは研究開発活動が一層活発化しており、開発初期段階において設計内容や機能のみならず、操作性やユーザー体験を含めた検証を行うため、試作品の役割は従来以上に重要性を増しております。特に、短期間での試作や実機に近い形での評価に加え、実際の使用環境を想定した検証が求められる傾向にあります。

また、開発から量産に至るまでのリードタイム短縮の要請が高まる中で、従来の概念実証(PoC)にとどまらず、量産工程への移行を前提とした試作および技術評価の重要性が高まっております。すなわち、早期段階において量産を見据えた仕様・デバイスを用いた試作を行い、迅速に設計判断につなげる開発プロセスへの転換が進んでおります。

さらに、車載コンテンツを含むHMI領域では、SDV化や高度情報端末化を背景として、UI/UX設計の重要性が一層高まっております。これに伴い、試作から量産準備に至る過程において、単発的なデザイン検証にとどまらず、量産を前提としたUI/UX設計やデザインシステムの構築に対する需要が拡大しております。

このような環境のもと、試作品製作市場においては、従来の形状確認や単機能検証にとどまらず、機能・操作性・意匠性を統合した高付加価値な試作および、量産移行を見据えた技術検証を担う役割へと進化しております。また、製品開発の効率化および開発リスクの低減を目的として、これら高度な試作機能を外部の専門事業者に委ねる動きも継続しており、試作品製作市場は自動車関連の研究開発を支える重要な分野として、その重要性は一層高まっております。

⑥ビューティーテック市場

矢野経済研究所が2026年1月に公表した「2026年版 エステティックサロンマーケティング総鑑」によれば、国内エステティックサロン市場規模は、2024年度において前年度比96.9%の3,043億円(事業者売上高ベース)と、引き続き緩やかな縮小傾向にあります。一方で、市場全体の減少にもかかわらず、その内訳や提供価値には変化が生じております。

特に、コロナ禍以降の生活様式の変化やオンラインコミュニケーションの定着を背景に、性別を問わず自身の外見やコンディションに対する意識が高まりつつあり、メンズエステ市場は前年度比100.6%と堅調に推移しております。美容に対する価値観は、リラクゼーション中心のサービスから、効果実感や再現性を重視する方向へとシフトしており、ジェンダーレスな考え方を持つ若年層を中心に新たな顧客層の拡大が進む可能性が示されております。

このような環境下において、エステティック業界では、施術者の経験や技量に依存するビジネスモデルから、業務用美容機器を活用してサービス品質の安定化や効率化を図る取り組みが重要性を増しております。ビューティーテック分野においては、美容機器を単なる設備としてではなく、サロン運営を支援し、顧客満足度の向上や差別化を実現するための中核的なツールとして位置付ける動きが広がっており、今後も同分野の役割は一層高まるものと考えられます。

(4)経営戦略

①基本方針

上記経営環境のもと、M&Aを通じモノづくり企業をグループ化し、当社独自の「モノづくり事業承継プラットフォーム」に組み込むことで、グループ会社を変革・進化させ、グループ全体の成長を図るのが当社グループのビジネスモデルです。

「モノづくり事業承継プラットフォーム」とは、a.M&A実行基盤(投資)、b.経営管理基盤(整備)、c.モノづくり基盤(育成)の3つの基盤で構成され、事業承継に必要なすべてのソリューションをワンストップで提供する当社独自の仕組みを指します。

a.M&A実行基盤(投資)

M&Aプロセス全体(M&Aの戦略立案、デューデリジェンス、資金調達、PMI等)を、モノづくり事業とインベストメント事業に精通したプロフェッショナル人材が一気通貫で遂行していきます。

b.経営管理基盤(整備)

プロ経営者のタレント・マネジメント・システムの構築、業務のシェアード化、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の構築及びグループ全体のGRC(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)体制の構築を、経営管理に精通したプロフェッショナル人材がチームで推進していきます。

c.モノづくり基盤(育成)

標準化された、品質管理強化・製造効率化・IoTを活用した省人化・そして新製品開発を、モノづくり事業と経営に精通したプロフェッショナル人材がチームで推進していきます。

さらに、当社グループは、モノづくり事業承継プラットフォームで蓄積したノウハウを、グループ内に留まらず、フィナンシャル・アドバイザリー、経営コンサルティングを始めとした事業化を進め、当社グループ全体の企業価値最大化を図ります。

②成長戦略

当社グループは、更なる成長に向けた戦略として、以下の方針を立てています。

(ⅰ)事業ポートフォリオの強化

当社は、M&Aによる非連続的成長と既存事業のオーガニック成長(※)を両輪で推進し、事業ポートフォリオを強化していきます。

M&Aによる非連続的成長においては、M&Aを戦略的に実行し、スピード感を持ってグループの成長を推進します。投資企業の選定には「国際競争力が高く、サプライチェーンが強固な分野」を重点投資領域に設定し、製造業において安定的な成長が期待できる分野や、高成長・高付加価値の創造が期待できる分野を主なターゲットとした独自の投資ポートフォリオを構築していきます。

一方、既存事業のオーガニック成長においては、M&A後のPMIフェーズで、当社から派遣されたプロ経営者チームが、経営環境及び製造現場の可視化を前提とした「標準PMI」で再現性の高い統合プロセスを実現します。PMIフェーズで得た知見を当社グループの独自ノウハウとして蓄積し、「標準PMI」のアップデートを重ねることで、PMIの効果・スピードを高めていきます。

また、当社グループは自動車部品製造事業、製造業向け生産自動化ソリューション、試作品製作、業務用美容機器開発製造等において、成長に必要なR&D(新技術の研究開発活動)を積極的に行っていきます。具体的な取り組みとしては、「リサイクル率向上」「低騒音化」といった環境に配慮した取り組み、「工場の自動化」「DX化」といった効率性と品質向上への取り組み及び産学共同研究を通じた「伝送効率の改善」を実現する新素材の開発・製品化に向けた取り組み等を行っていきます。

(※)当社がいう「オーガニック成長」とは、当社グループが買収した企業を含む既存事業の持続的な成長を指しています。当社グループは、既存事業の強みを活かしながら、標準化、省力化及びDX化を推進し、生産性を向上させています。また、既存事業から派生した新たな事業の創造や研究開発への取り組みもオーガニック成長の一環として位置づけています。

(ⅱ)グループ財務機能の強化

当社グループは、グループ経営の課題として収益基盤の安定化と子会社財務の健全化を目指しています。具体的には、超過利潤であるROICスプレッド(ROIC(投下資本利益率)とWACC(加重平均資本コスト)の差)の拡大、当社グループ内の資金を有効活用し最適配分を行うための事業ポートフォリオ戦略によるグループ財務の安定、更には予算精度向上による継続的な収益力の改善を図っていきます。

事業ポートフォリオ戦略による投資余力の確保、金融、会計、法律等の多分野にわたる複雑で高度な専門知識やノウハウを組み合わせて「全体最適」な資金調達手段を導き出し、機動的・多様な資金調達を目指します。

(ⅲ)人的資本への投資

人的資本投資については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、M&Aによる事業承継を通じて傘下に収めた子会社の中長期的な成長を実現し、グループ全体の企業価値向上を図るビジネスモデルを基本としております。このビジネスモデルを持続的に発展させていくため、子会社における既存事業の成長及びソリューション拡充に向け、以下の課題に注力してまいります。

① M&A対象企業の発掘及び事業成長の実現

当社グループにとって、成長の源泉となる良質なM&A案件の継続的な発掘及び、M&A後における事業成長の実現は最重要課題の一つであります。

M&A案件の検討に際しては、金融機関、M&A仲介会社等の多様なリソースを活用しつつ、対象企業の事業内容・収益力に関する精緻な分析に加え、M&A後の成長戦略、PMI戦略、グループシナジーの創出可能性等を十分に勘案した上で投資判断を行っております。

また、ターゲット案件については、当社取締役を中心とした経営層及び関係部門で構成する投資委員会において十分な審議を行い、当社グループの中長期的な成長に資するM&Aの実行に引き続き注力してまいります。

② プロ経営者の積極的採用及び育成の強化

当社グループの最も重要な経営資源は人材であり、M&A後における子会社経営の高度化及び成長戦略の遂行において、プロ経営者の確保・育成は継続的な経営課題であると認識しております。

今後も、当社グループの競争優位性を一層高めるため、経営、財務、事業運営等の分野において高い専門性を有する人材の積極的な採用を進めるとともに、既存人材の育成強化を通じて、M&A案件の成功確率向上及びグループ全体の経営力強化を図ってまいります。

③ 当社グループの一体化及び意思統一

当社グループは、M&Aを通じてグループ会社を拡大し、成長を実現してきたビジネスモデルを基本としていることから、各社の歴史や企業文化の違いに起因する価値観の相違が生じる可能性があります。そのため、グループ全体が同一の目標に向かって一体的に事業運営を行うための体制構築は重要な課題であると認識しております。

これらの課題に対応するため、各社横断的な会議体やコミュニケーションの場を設け、相互理解と信頼関係の構築に努めるとともに、年1回の方針説明会の開催等を通じてグループ方針の共有と意思統一を図り、グループ経営の高度化を推進してまいります。

④ 販売チャネルの拡大

当社グループは、グループ会社間で経営層・マネジメント層を兼任させることで、子会社各社にとっては新規となりうる顧客に対して総合的な提案を実施することにより新たな販路、新製品の開発・製造を実施し、販売チャネルの拡大を実行してまいります。

⑤ グローバル展開への対応力強化

当社グループは、成長機会の一つとして、海外市場を含めた事業展開を推進しております。

この取り組みを継続・強化していくため、業務提携・技術提携、新たな販売先・仕入先の開拓に加え、グローバル事業を推進するための人材確保やネットワーク構築等が重要な課題であると考えております。

⑥ 新市場への挑戦、技術革新及び現場改革

当社グループの一部子会社が属する自動車関連産業においては、環境規制の強化を背景とした電動化の進展、自動運転技術の高度化、コネクティッド技術の普及などにより、事業環境が大きく変化しております。加えて、製品・サービスの提供方法や競争環境も継続的に変化しており、企業には柔軟かつ迅速な対応が求められています。

こうした環境変化を成長機会と捉え、新市場への挑戦、新技術の導入及び生産・業務プロセスにおける現場改革に積極的に取り組むことで、事業競争力の強化を図ってまいります。

⑦ 財務体質の改善

当社グループは、M&A実行に際し、各子会社の正常収益力を前提としたLBOファイナンス等により資金調達を行っているため、有利子負債比率が相対的に高い水準にあります。

今後は、各子会社におけるEBITDAの向上による財務基盤の強化に加え、事業環境や成長ステージに応じた多様な資金調達手法を検討・活用することで、財務体質の更なる強化と財務の健全性向上に努めてまいります。

⑧ 内部統制の充実

当社グループは、国内外のグループ会社を含めた企業経営の透明性確保及び開示情報の正確性向上、ならびに各国・地域における法令等の遵守を徹底するため、グローバルベースでの内部統制システムの整備・運用を継続的に推進しております。

Source: annual securities report, FY ending Mar 2026 S100YI8U

Industry peers

ROE rank 27 of 586

Companies in Services ranked either side of this one by ROE